比較法ハンドブック 第2版

比較法ハンドブック 第2版

五十嵐比較法学の集大成であり、最新の法状況を反映しながら、全体像を描き出すバランスのとれた標準テキストの第2版。

著者 五十嵐 清
ジャンル 法律
出版年月 2015年1月
ISBN 978-4-326-45104-3
判型・ページ数 4-6・400ページ
定価 3,520円(税込)
在庫 品切れ・重版未定

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現在のグローバル化した社会における法学教育の中で、「比較法」の占める位置は高まる一方である。本書は、常に学界をリードしてきた著者が長年の研究の成果を体系化した五十嵐比較法学の集大成である。初版以後の最新の情報を盛り込んだ上、「比較法」の体系に配慮し、バランスのとれた比較法の標準テキストの第2版。

正誤表(PDF)

はしがき
凡例

第1章 比較法の意義
  第1節 比較法とはなにか
  第2節 比較法と他の隣接科学との関係
    Ⅰ 法史学
    Ⅱ 法哲学
    Ⅲ 法社会学
    Ⅳ 法と経済学
    Ⅴ 法文化論
    Ⅵ 国際私法
    Ⅶ 外国法
  第3節 比較法の対象
    Ⅰ 対象一般
    Ⅱ 実定法の各分野と比較法

第2章 比較法の発展
  第1節 欧米諸国における比較法の発展
    Ⅰ 前史
    Ⅱ l9世紀前半
      1 普遍法史の構想 2 実務的比較法の台頭
    Ⅲ 19世紀後半
      1 ドイツにおける普遍法史学の形成 2 イギリスにおける歴史法学の成立 
      3 各国における比較立法協会の設立
    Ⅳ 20世紀前半
      1 普遍主義の時代 2 ラーベル学派の成立 3 まとめ
    Ⅴ 20世紀後半
      1 比較法の重要性の一般的承認 2 研究対象の拡大 3 方法論の深化
      4 国際的発展 5 統一法の進展 6 主流比較法に対する批判の台頭
  第2節 わが国における比較法の発展
    Ⅰ 戦前における比較法の発展
      1 第1期 2 第2期 3 第3期
    Ⅱ 戦後における比較法の発展
      1 比較法研究者の充実 2 研究対象の拡大 3 方法論の深化
      4 比較法研究の組織化の進展 5 国際交流の発展

第3章 比較法の目的
  第1節 法学教育と比較法
    Ⅰ 各国における法学教育の比較
    Ⅱ 欧米諸国における比較法教育論の発展
    Ⅲ わが国における比較法教育の歴史
      1 戦前 2 戦後
    Ⅳ 現代における比較法教育の問題点
      1 序説 2 比較法教育の目的―理論か実際か 
      3 比較法教育の対象―なにを教えるべきか 
      4 比較法教育の方法―レクチュア・メソッドかケース・メソッドか
      5 カリキュラム上の問題 6 法科大学院と比較法教育
  第2節 法の解釈と比較法
    Ⅰ 序説
    Ⅱ 歴史的考察―わが国の場合を中心に
      1 はじめに 2 法典継受以前 3 法典継受以後―いわゆる「学説継受」の時代
      4 反省期 5 第2次世界大戦後
    Ⅲ 現状
      1 諸外国の場合 2 わが国の場合
    Ⅳ 問題点
      1 比較法的解釈の可能性とその限界 2 比較法的解釈に親しむ領域
      3 比較法の対象 4 比較法的傾向は存在するか?
      5 文化の相違
    V まとめ
  第3節 立法と比較法
    Ⅰ 序説
    Ⅱ わが国における歴史的概観
      1 戦前 2 戦後
    Ⅲ 諸外国の現状
      1 イギリス 2 ドイツ
    Ⅳ 問題点
      1 立法に対する比較法の可能性と有用性 2 立法のテーマと比較法 3 比較の対象国
      4 比較の方法 5 比較法の研究組織の必要性 6 立法に対する比較法の限界
    V むすび
  第4節 法の継受と比較法
    Ⅰ 序説
    Ⅱ 法の継受の例
      1 ローマ法の継受 2 近代大陸法典の継受 3 コモン・ローの継受
      4 社会主義国家におけるソビエト法の継受
    Ⅲ 法の継受は可能か
      1 はじめに 2 ワトソンの見解 3 ルグランの見解 4 第3の見解
    Ⅳ 法の継受の原因とプロセス
      1 継受の類型 2 継受の原因 3 継受元の選択 4 継受のプロセス
    V 継受の効果
      1 継受の成功と失敗 2 同化と変容
    Ⅵ 法整備支援と比較法

第4章 比較法の方法
  Ⅰ テーマの選定
  Ⅱ 研究対象の選択
  Ⅲ 資料の収集
  Ⅳ 資料の閲読
  V 相違点と一致点の発見―制度的比較法と機能的比較法
  Ⅵ 相違の生ずる理由の探求
  Ⅶ 研究の組織化
  Ⅷ エクスカーション―事情変更の原則を素材として
    1 序説 2 フランス法(不予見理論)  3 ドイツ法(行為基礎理論)
    4 イギリス法 (契約のフラストレイション法理) 5 国際統一法における事情変更の原則
    6 まとめ

第5章 法系論をめぐって
  第1節 法系論とはなにか
    Ⅰ 序説
    Ⅱ 法系論の発展
      1 第2次世界大戦前の法系論 2 第2次世界大戦後の法系論
  第2節 西欧法文化の特色
    Ⅰ 西欧法文化圏における法観念の特色
    Ⅱ 西欧法文化形成の諸要素
    Ⅲ 西欧法文化圏の範囲
    Ⅳ 西欧法文化の統一性と多様性
    Ⅴ 西欧法文化の普遍性と特殊性
  第3節 大陸法と英米法
    Ⅰ 序説
    Ⅱ 地理的分布
      1 大陸法 2 英米法 3 混合法系
    Ⅲ 具体的な相違点
      1 歴史的伝統 2 特殊な法学的思考方法 3 とくに特徴的な法制度
      4 法源の種類とその解釈 5 イデオロギー
    Ⅳ 両者の接近と融合
  第4節 社会主義法系の発展と消滅
    Ⅰ 概観
      1 ソビエト法の発展 2 社会主義法系の形成と崩壊
    Ⅱ 社会主義法系は存在したか?
    Ⅲ 社会体制の相違と比較法
      1 西欧法学者の見解 2 社会主義国の法学者の見解 3 小括
  第5節 法系論における東アジア法の位置づけ
    Ⅰ 西欧比較法学者による東アジア法の位置づけ
    Ⅱ アジア法の統一性と多様性
      1 アジア法の統一性? 2 アジア法の多様性
    Ⅲ 東アジア法系の可能性
      1 法制度的側面 2 法文化的側面 3 まとめ
    Ⅳ 補論―韓国法と日本法
      1 両者の交流の歴史―民法を中心として 2 韓国法の独自性
      3 日韓両国の法学交流の現在の問題点と将来の課題
  第6節 西欧法学者が見た日本法 ―「日本人は裁判嫌い」は神話か?
    Ⅰ 序説
    Ⅱ 「日本人は裁判嫌い」 テーゼの成立
      1 日本人学者によるテーゼの成立 2 西欧比較法学者への影響
    Ⅲ 「日本人は裁判嫌い」=神話説をめぐって
      1 ヘイリーによる神話説の登場 2 ヘイリーの問題提起をめぐって
      3 その後のヘイリー
    Ⅳ むすびにかえて
  第7節 法系論はどこへ行く
    Ⅰ 法系論に対する批判
      1 英米の法学者による批判 2 その他の批判
    Ⅱ 新たな状況の発生
      1 社会主義法系の消滅 2 大陸法と英米法の接近
    Ⅲ 新たな法系論
      1 マッテイの法系論 2 グレンの法伝統論
    Ⅳ アメリカの経済学者による法系論の利用
      1 概観 2 批判 3 その後の「法的起源」理論 4 まとめ
    V 法系論はどこへ行く?

第6章 私法の国際的統一と比較法
  第1節 序説
    Ⅰ 私法の統一運動の進展
    Ⅱ 私法の国際的統一の問題点
      1 統一法の概念 2 国内的統一と国際的統一 3 地域的統一と世界的統一
      4 統一法の対象 5 全面的統一と部分的統一
    Ⅲ わが国と統一法
  第2節 国際動産売買法の統一
    Ⅰ ハーグ動産売買統一法の制定過程
    Ⅱ ハーグ動産売買統一法の内容の特色と問題点
      1 国際動産売買契約の成立に関する統一法 2 国際動産売買統一法
      3 ハーグ統一売買法の問題点
    Ⅲ ウィーン売買条約の成立
      1 UNCITRALの成立と活動 2 時効条約の成立 3 ウィーン売買条約の成立と特色
      4 ウィーン売買条約の普及と影響 5 ウィーン売買条約への日本の加入
  第3節 ヨーロッパにおける私法の統一
    Ⅰ 序説
    Ⅱ EC・EUの発展とその機構
      1 EC・EUの発展 2 EUの機構 3 EUの法源
    Ⅲ ヨーロッパ契約法の統一に向けて
      1 EC・EU側のイニシアティブ―とくに指令による消費者契約法の統一
      2 私的グループによるヨーロッパ契約法統一運動
      3 欧州委員会の行動計画と「共通参照枠」の作成 4 欧州共通売買法(草案)の提案
  第4節 むすび
    Ⅰ 法の国際的統一と比較法との関係一般
    Ⅱ 私法の国際的統一に対する比較法の寄与
      1 不断の寄与 2 準備段階での寄与 3 成立段階での寄与 4 統一法成立後の寄与

事項索引
人名索引

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