必要の理論

必要の理論

人の「必要」とはなにか。福祉政策はその観点から位置づけなおされるべきである。ミュルダール賞・ドイッチャー賞受賞、待望の邦訳。

著者 L. ドイヨル
I. ゴフ
馬嶋 裕 監訳
山森 亮 監訳
ジャンル 政治
経済
福祉・医療
出版年月 2014年10月
ISBN 978-4-326-60270-4
判型・ページ数 A5・232ページ
定価 3,520円(税込)
在庫 在庫あり

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政府が個人の幸福追求を支援するために講じる手段には様々なものがあるが、それらはどんな理由によって決まるのか。自立と依存を対立するものとしてとらえるのでなく、何が人の「必要」なのかという観点から、様々な政策を位置づけ直さなくてはならない。「必要」について包括的に理論化し、福祉研究分野で高い評価を受けた一書。

序章

第Ⅰ部 相対主義と人間の必要という問題

第1章 誰が人間の必要を必要としているのか?
 1.1 正統派経済学:必要とは選好である
 1.2 新しい右翼:必要は危険である
 1.3 マルクス主義:必要は歴史的である
 1.4 文化帝国主義批判:必要は集団固有のものである
 1.5 根源的民主主義:必要は言説的である
 1.6 現象学的議論:必要は社会的に構築されたものである

第2章 人間の必要の不可避性
 2.1 正統派経済学:評価の循環性
 2.2 新しい右翼:結局のところ普遍性
 2.3 マルクス主義:決定論という冷笑的な眼差し
 2.4 文化帝国主義批判:抑圧の客観性
 2.5 根源的民主主義:集団の道徳のロマン化
 2.6 現象学的議論:社会的実在の反撃

第3章 「必要」の文法
 3.1 衝動としての必要
 3.2 目標と戦略としての必要
 3.3 必要,相対主義,道徳性

第Ⅱ部 人間の必要の理論

第4章 身体的健康と自律:諸個人の基本的必要
 4.1 人間の行為と相互行為の前提条件としての必要
 4.2 基本的必要としての生存/身体的健康
 4.3 基本的必要としての自律
 4.4 必要充足の比較における諸問題

第5章 基本的必要充足の社会的前提条件
 5.1 個人の自律の社会的側面
 5.2 四つの社会的前提条件

第6章 人間解放と必要充足への権利
 6.1 義務,権利,道徳的相互性
 6.2 特殊な責務と必要充足の最適化
 6.3 相対主義と人間解放への見通し
 6.4 補論:敵の必要充足への権利

第7章 理論における必要充足最適化
 7.1 ハーバマスと合理的コミュニケーション
 7.2 ロールズ,正義そして最適な必要充足
 7.3 ロールズの修正
 7.4 ロールズ批判
 7.5 国際主義,エコロジー,未来世代

監訳者あとがき
参考文献
事項索引
人名索引

著者紹介
L.ドイヨル(Len Doyal)
1944年生.ロンドン大学クィーンメアリー校名誉教授.医療倫理学.
I.ゴフ(Ian Gough)
1942年生.バース大学名誉教授,およびロンドン・スクール・オブ・エコノミクス客員教授.社会政策・経済学.

監訳者紹介
馬嶋 裕(まじま・ひろし)
1968年生.大阪産業大学・甲南大学非常勤講師.倫理学.
山森 亮(やまもり・とおる)
1970年生.同志社大学経済学部教授.社会政策・経済学.『ベーシック・インカム入門』(光文社新書,2009)ほか.

訳者紹介
遠藤 環(えんどう・たまき)
1975年生.埼玉大学経済学部准教授.開発経済学,地域研究.『都市を生きる人々:バンコク・都市下層民のリスク対応』(京都大学学術出版会,2011)ほか.
神島裕子(かみしま・ゆうこ)
1971年生.中央大学商学部准教授.政治哲学・倫理学.『マーサ・ヌスバウム──人間性涵養の哲学』(中央公論新社,2013)ほか.

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