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ニーズ・価値・真理
ウィギンズ倫理学論文集
概念分析ではなく、詳明により明らかになる実践のありよう。アリストテレスとヒュームの狭間を進む“道徳の哲学”。
著者 | デイヴィッド・ウィギンズ 著 大庭 健 監訳 奥田 太郎 監訳 都築 貴博 訳 古田 徹也 訳 萬屋 博喜 訳 |
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ジャンル | 哲学・思想・倫理 |
シリーズ | シリーズ哲学・思想・倫理 > 双書現代倫理学 |
出版年月 | 2014年7月 |
ISBN | 978-4-326-19967-9 |
判型・ページ数 | 4-6・368ページ |
定価 | 4,070円(税込) |
在庫 | 在庫あり |
善悪・正邪といった道徳的な性質が「まさに為されるべき」実在的性質であるとする道徳的実在論と、道徳的性質なるものはわれわれの反応を事物になすりつけた所産に過ぎないとする反実在論。この間を縫うように進むウィギンズの倫理学的な考察の軌跡は、真剣に省みるに値する。20世紀後半の倫理学を牽引した碩学の主論考がついに邦訳!
「監訳者まえがき」注より
本訳書の底本とした論集の版をめぐる事情について、若干言及しておきたい。この論集の初版は一九八七年に、第三版が一九九八年に刊行されている。 さらにその後の二〇〇二年に改訂第三版が新たに刊行された。本訳書は、ウィギンズ自身の意図が最も適切に反映された改訂第三版(この点について訳 者がウィギンズ氏自身に手紙を通じて直接確認済み)を底本としている。第三版と改訂第三版を比べると、全般的には細かな字句表現の修正が散見される程度の違いしか見られないが、こと第一論文「ニーズの要求」に限っては、かなり大幅な修正が施されている。それゆえ、第三版は、改訂第三版が出 された今となっては、ウィギンズ自身にとってすでに遺棄されたヴァージョンと位置づけられているはずである。それにもかかわらず、二〇一〇年に刊行された重版には一九九八年刊行の第三版が使用されてしまっており、オックスフォード大学出版局もそれを把握していない状態に陥っている。二〇一〇年以降新たな重版が出ていない現時点では、読者諸氏が本訳書の底本(改訂第三版)を取り寄せようとしても、遺棄されたはずの第三版しか手に入らないということである。研究レベルで本訳書収録の諸論文を読み解きたいと考える読者がいる場合、(ウィギンズの論集が初版から改訂第三版まですべて収蔵されている図書館はおそらく皆無だと思われるため)こうした状態は由々しきことと言わざるをえない。そこで、改訂第三版の重版が流通するまでの間、勁草書房のウェブページ上で、二つの版の異同箇所を示したPDFファイルをダウンロードできるように手配していただいた。
凡例
第一章 ニーズの要求
第二章 普遍化可能性、不偏性、真理
第三章 真理、発明、人生の意味
第四章 賢明な主観主義?
解説 同一性・真理・価値[大庭健]
訳者解題[奥田太郎・都築貴博・古田徹也・萬屋博喜]
監訳者あとがき
事項索引
人名索引
著者略歴
デイヴィッド・ウィギンズ(David Wiggins)
1933年生まれ.オックスフォード大学名誉教授.ロンドン大学教授を経て,1993年から2000年までオックスフォード大学ウィカム記念論理学教授を務めた.著書は本書のほか,Sameness and Substance Renewed (Cambridge University Press, 2001), Ethics: Twelve Lectures on the Philosophy of Morality (Harvard University Press, 2006)など.
編者・監訳者略歴
大庭健(おおば・たけし)
専修大学教授.東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学.専門は倫理学・分析哲学.著書に『いのちの倫理』(ナカニシヤ出版,2012年),『善と悪─倫理学への招待』(岩波新書,2006年)ほか多数.訳書にアマルティア・セン『合理的な愚か者』〔共訳〕(勁草書房,1989年)ほか.
奥田太郎(おくだ・たろう)
南山大学社会倫理研究所准教授.京都大学大学院文学研究科博士課程研究指導認定退学.博士(文学).専門は倫理学・応用倫理学.著書に『倫理学という構え─応用倫理学原論』(ナカニシヤ出版,2012年)ほか.
訳者略歴
都築貴博(つづき・たかひろ)
河合塾講師.北海道大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学.専門は近代倫理思想史・現代倫理学.主な論文に「ウィリアムズにおける全一性と道徳的行為者性」『哲学』第44号(北海道大学,2008年),「公平性の何が問題か?─ウィリアムズとストッカーの批判に寄せて」『哲学年報』第53号(北海道哲学会,2006年)ほか.
古田徹也(ふるた・てつや)
新潟大学准教授.東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了.博士(文学).専門は哲学・倫理学.著書に『それは私がしたことなのか─行為の哲学入門』(新曜社,2013年)ほか.
萬屋博喜(よろずや・ひろゆき)
埼玉大学非常勤講師・日本学術振興会特別研究員(PD).東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学.博士(文学).専門は哲学・倫理学.主な論文に「ヒュームにおける因果推理の正当化」『哲学雑誌』第128号(有斐閣,2013年),「ヒュームにおける意味と抽象」『哲学』第63号(日本哲学会,2012年)ほか.
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