ホーム > 教育臨床社会学の可能性

教育臨床社会学の可能性

教育臨床社会学の可能性

教員養成や学校現場に対して教育社会学はいかに貢献するのか。学校や子どもの課題に具体的にアプローチし、臨床の意味を問い直す。

著者、編者、訳者など 酒井 朗
ジャンル 教育・心理
社会・女性
ISBN 978-4-326-25096-7
出版年月 2014年6月
判型・ページ数 A5判・260ページ
定価 本体3,300円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

教育臨床社会学とは、実践性への要請に応じ、その対応に資する知見や方策を提示し、問題や事象に対する理解のあり方そのものを不断に問い直す、教育社会学の新たな研究動向である。臨床の概念のもと、一方で批判的視点を持ちながら、どういう立ち位置で現場に向き合うのか。概念的に、かつ具体的な問題事例に基づいて幅広く検討する。

このページのトップへ

目次

はじめに

序章 臨床への注目──臨床教育学と教育臨床社会学
 1 実践的指導力の涵養
 2 実践性と臨床
 3 臨床の視点が教育社会学に問いかけたもの
 4 本書の構成

第Ⅰ部 教育学、教育社会学における臨床

第一章 教育学における臨床の含意
 1 臨床教育学の創設
 2 臨床心理学的臨床教育学の構想
 3 解釈学的臨床教育学の貢献と残された課題
 4 教育学における臨床の含意

第二章 教育臨床社会学の方法論
 1 教育臨床社会学が対象とする領域
 2 教育臨床社会学の多様なアプローチ
 3 エスノグラフィーの可能性
 4 エスノグラフィーは問題の対処にどう貢献するか
 5 社会構成主義からのアプローチ
 6 アクションリサーチの可能性と課題
 7 三つの方法論の関係と基礎的なデータ収集の重要性

第Ⅱ部 学校不適応の教育臨床社会学

第三章 不登校の支援ネットワークの綻び
 1 不登校問題への接近
 2 P区における支援ネットワーク
 3 自治体による違い
 4 どこにもつながっていない生徒
 5 具体的な取り組みの提案

第四章 学校に行かない子ども
 1 支援から落ちこぼれる子ども
 2 無視できない脱落型不登校
 3 支援体制の整備
 4 問題理解の抜本的変更による支援の拡充
 5 以前から存在した脱落型不登校
 6 一九九〇年代の不登校対策──学校不適応対策調査研究協力者会議報告を読み直す
 7 Truancy──イギリスにおける長期欠席者の捉え
 8 問題の新たな捉えと支援の再構築──「学校に行かない子ども」

第五章 移行の危機と学校段階間の連携
 1 移行の危機への関心の高まり
 2 中一ギャップと小一プロブレム
 3 小学校入学時の不適応問題
 4 六〇年間固定されてきた六─三─三制
 5 学校を単位とした方法的社会化と再社会化における危機
 6 連携・接続の課題の設定

第六章 幼小の教員との対話──相互の省察過程
 1 幼小連携のアクションリサーチ
 2 カリキュラム観の差異
 3 ビデオカンファレンス
 4 対話における研究者の役割とそこでの気づき
 5 終わりに─書記としての研究者

第Ⅲ部 「指導の文化」再考

第七章 教師の多忙とメンタルヘルスの悪化──二〇年間の変化
 1 指導の文化
 2 指導の文化の下での教師の多忙
 3 管理教育批判や学校の荒れに対する反省の中で
 4 二〇〇〇年代以降の教師の職務状況
 5 指導の文化の進展と外部からの評価
 6 多忙化とメンタルヘルスの悪化の社会的背景
 7 学校教育の見直しと教職の職務状況の改善

第八章 児童生徒理解を問い直す
 1 心の理解としての児童生徒理解
 2 カウンセリング・マインドの登場
 3 ガイダンス運動における児童生徒理解
 4 一九六〇年代の児童生徒理解
 5 一九七〇年代以降の児童生徒理解
 6 社会学的視点の重要性

第九章 子どもという捉え──学校を単位とした社会化プログラムの見直し
 1 子どもとしての年少者
 2 学校化社会における年少者へのまなざし
 3 年少者の捉えの変更への要請
 4 子どもという捉えへの批判
 5 子どもという捉えの必要性
 6 まとめ

終章 教育現場と研究の関係を問い直す
 1 教育臨床社会学に課された二つの課題
 2 臨床の含意と臨床の学の立ち位置
 3 批判を介した規範性
 4 教育の現場の特性
 5 三つのレベルの現場
 6 各レベルの現場とのコミュニケーション
 7 組織間の分断と心理学的理解の浸透
 8 実践性への期待に向き合う

あとがき
参考文献
事項索引
人名索引
本書を書く上で元となった論文

このページのトップへ