教育臨床社会学の可能性 (紙版)
教育臨床社会学とは、実践性への要請に応じ、その対応に資する知見や方策を提示し、問題や事象に対する理解のあり方そのものを不断に問い直す、教育社会学の新たな研究動向である。臨床の概念のもと、一方で批判的視点を持ちながら、どういう立ち位置で現場に向き合うのか。概念的に、かつ具体的な問題事例に基づいて幅広く検討する。
【電子書籍あり】
紀伊國屋書店
はじめに
序章 臨床への注目──臨床教育学と教育臨床社会学
1 実践的指導力の涵養
2 実践性と臨床
3 臨床の視点が教育社会学に問いかけたもの
4 本書の構成
第Ⅰ部 教育学、教育社会学における臨床
第一章 教育学における臨床の含意
1 臨床教育学の創設
2 臨床心理学的臨床教育学の構想
3 解釈学的臨床教育学の貢献と残された課題
4 教育学における臨床の含意
第二章 教育臨床社会学の方法論
1 教育臨床社会学が対象とする領域
2 教育臨床社会学の多様なアプローチ
3 エスノグラフィーの可能性
4 エスノグラフィーは問題の対処にどう貢献するか
5 社会構成主義からのアプローチ
6 アクションリサーチの可能性と課題
7 三つの方法論の関係と基礎的なデータ収集の重要性
第Ⅱ部 学校不適応の教育臨床社会学
第三章 不登校の支援ネットワークの綻び
1 不登校問題への接近
2 P区における支援ネットワーク
3 自治体による違い
4 どこにもつながっていない生徒
5 具体的な取り組みの提案
第四章 学校に行かない子ども
1 支援から落ちこぼれる子ども
2 無視できない脱落型不登校
3 支援体制の整備
4 問題理解の抜本的変更による支援の拡充
5 以前から存在した脱落型不登校
6 一九九〇年代の不登校対策──学校不適応対策調査研究協力者会議報告を読み直す
7 Truancy──イギリスにおける長期欠席者の捉え
8 問題の新たな捉えと支援の再構築──「学校に行かない子ども」
第五章 移行の危機と学校段階間の連携
1 移行の危機への関心の高まり
2 中一ギャップと小一プロブレム
3 小学校入学時の不適応問題
4 六〇年間固定されてきた六─三─三制
5 学校を単位とした方法的社会化と再社会化における危機
6 連携・接続の課題の設定
第六章 幼小の教員との対話──相互の省察過程
1 幼小連携のアクションリサーチ
2 カリキュラム観の差異
3 ビデオカンファレンス
4 対話における研究者の役割とそこでの気づき
5 終わりに─書記としての研究者
第Ⅲ部 「指導の文化」再考
第七章 教師の多忙とメンタルヘルスの悪化──二〇年間の変化
1 指導の文化
2 指導の文化の下での教師の多忙
3 管理教育批判や学校の荒れに対する反省の中で
4 二〇〇〇年代以降の教師の職務状況
5 指導の文化の進展と外部からの評価
6 多忙化とメンタルヘルスの悪化の社会的背景
7 学校教育の見直しと教職の職務状況の改善
第八章 児童生徒理解を問い直す
1 心の理解としての児童生徒理解
2 カウンセリング・マインドの登場
3 ガイダンス運動における児童生徒理解
4 一九六〇年代の児童生徒理解
5 一九七〇年代以降の児童生徒理解
6 社会学的視点の重要性
第九章 子どもという捉え──学校を単位とした社会化プログラムの見直し
1 子どもとしての年少者
2 学校化社会における年少者へのまなざし
3 年少者の捉えの変更への要請
4 子どもという捉えへの批判
5 子どもという捉えの必要性
6 まとめ
終章 教育現場と研究の関係を問い直す
1 教育臨床社会学に課された二つの課題
2 臨床の含意と臨床の学の立ち位置
3 批判を介した規範性
4 教育の現場の特性
5 三つのレベルの現場
6 各レベルの現場とのコミュニケーション
7 組織間の分断と心理学的理解の浸透
8 実践性への期待に向き合う
あとがき
参考文献
事項索引
人名索引
本書を書く上で元となった論文
序章 臨床への注目──臨床教育学と教育臨床社会学
1 実践的指導力の涵養
2 実践性と臨床
3 臨床の視点が教育社会学に問いかけたもの
4 本書の構成
第Ⅰ部 教育学、教育社会学における臨床
第一章 教育学における臨床の含意
1 臨床教育学の創設
2 臨床心理学的臨床教育学の構想
3 解釈学的臨床教育学の貢献と残された課題
4 教育学における臨床の含意
第二章 教育臨床社会学の方法論
1 教育臨床社会学が対象とする領域
2 教育臨床社会学の多様なアプローチ
3 エスノグラフィーの可能性
4 エスノグラフィーは問題の対処にどう貢献するか
5 社会構成主義からのアプローチ
6 アクションリサーチの可能性と課題
7 三つの方法論の関係と基礎的なデータ収集の重要性
第Ⅱ部 学校不適応の教育臨床社会学
第三章 不登校の支援ネットワークの綻び
1 不登校問題への接近
2 P区における支援ネットワーク
3 自治体による違い
4 どこにもつながっていない生徒
5 具体的な取り組みの提案
第四章 学校に行かない子ども
1 支援から落ちこぼれる子ども
2 無視できない脱落型不登校
3 支援体制の整備
4 問題理解の抜本的変更による支援の拡充
5 以前から存在した脱落型不登校
6 一九九〇年代の不登校対策──学校不適応対策調査研究協力者会議報告を読み直す
7 Truancy──イギリスにおける長期欠席者の捉え
8 問題の新たな捉えと支援の再構築──「学校に行かない子ども」
第五章 移行の危機と学校段階間の連携
1 移行の危機への関心の高まり
2 中一ギャップと小一プロブレム
3 小学校入学時の不適応問題
4 六〇年間固定されてきた六─三─三制
5 学校を単位とした方法的社会化と再社会化における危機
6 連携・接続の課題の設定
第六章 幼小の教員との対話──相互の省察過程
1 幼小連携のアクションリサーチ
2 カリキュラム観の差異
3 ビデオカンファレンス
4 対話における研究者の役割とそこでの気づき
5 終わりに─書記としての研究者
第Ⅲ部 「指導の文化」再考
第七章 教師の多忙とメンタルヘルスの悪化──二〇年間の変化
1 指導の文化
2 指導の文化の下での教師の多忙
3 管理教育批判や学校の荒れに対する反省の中で
4 二〇〇〇年代以降の教師の職務状況
5 指導の文化の進展と外部からの評価
6 多忙化とメンタルヘルスの悪化の社会的背景
7 学校教育の見直しと教職の職務状況の改善
第八章 児童生徒理解を問い直す
1 心の理解としての児童生徒理解
2 カウンセリング・マインドの登場
3 ガイダンス運動における児童生徒理解
4 一九六〇年代の児童生徒理解
5 一九七〇年代以降の児童生徒理解
6 社会学的視点の重要性
第九章 子どもという捉え──学校を単位とした社会化プログラムの見直し
1 子どもとしての年少者
2 学校化社会における年少者へのまなざし
3 年少者の捉えの変更への要請
4 子どもという捉えへの批判
5 子どもという捉えの必要性
6 まとめ
終章 教育現場と研究の関係を問い直す
1 教育臨床社会学に課された二つの課題
2 臨床の含意と臨床の学の立ち位置
3 批判を介した規範性
4 教育の現場の特性
5 三つのレベルの現場
6 各レベルの現場とのコミュニケーション
7 組織間の分断と心理学的理解の浸透
8 実践性への期待に向き合う
あとがき
参考文献
事項索引
人名索引
本書を書く上で元となった論文
関連書籍
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