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『教育思想事典 増補改訂版』刊行記念フェア 「現代を解きほぐす教育思想」
2017.10.01
教育の正義論 (紙版)
平等・公共性・統合
「構造改革」の延長線上で、「市場化」は生産過程のみならず、人材の育成や生活保障にかかわる再生産過程にも及んでいる。「子どもの貧困」が問題となり、教育機会の平等性の揺らぎがさらに強まる現実のなか、本書は教育を「正義」から問い、平等主義に立つ教育政策のあり方を再検討する。『教育の分配論』の待望の続編、ついに刊行。
【電子書籍あり】
紀伊國屋書店
はしがき 教育の正義/正義の教育
序章 「教育の正義」を問う意義──「改正」教育基本法の成立後において
はじめに──正義原理の取り戻し
1 教育基本法と原理的考察の必要
2 立憲主義下の教育運営
3 「正義の原理」の適用───ジョン・ロールズのテキストに即して
おわりに─正義の複数性
Ⅰ部 平等と教育
第一章 平等主義の政策課題
(1)努力の規定要因は何か──「環境」と「選択」
1 跋扈する格差肯定論と「再チャレンジ」
2 努力の諦め
3 アナリティカル・マルクス主義とその批判
4 環境要因と選択意思
5 平等主義とリバタリアニズム
6 誰のための平等か
(2)能力開発への社会的連帯──「自立」言説を乗り越えて
1 社会の実体
2 自立と平等
3 能力と不平等な配分
4 平等主義の能力開発
第二章 「学習社会」は若者にとってなぜ息苦しいのか──移行期における教育の不平等
はじめに
1 学習における機能主義と意図主義
2 「学習社会」の理念とその問題
3 学習と職業・雇用
4 学習と不平等
第三章 平等主義の教育政策を擁護する──「成長」政策に抗して
1 「分配」から「成長」へ
2 「社会的」資源
3 「教育の分配論」
4 平等主義の政策
Ⅱ部 公共性と教育
第四章 教育にとって公共性とは何か──「市民的公共性」を超えて
はじめに─カントにとっての「私的」/「公的」
1 「共同性」と「公共性」
2 教育資源の供給と運営
3 公共性への関心
4 市民的公共性
5 公共性論の原型
6 公共財としての教育
第五章 公立学校擁護論をどのように築くか──公費支出の正当化
はじめに──「社会全体で支える」ということ
1 教育への公費支出
2 教育の供給方式
3 教育の公正
4 外部効果論の限界
5 公立学校の「公共性」
6 公立学校の正当化
7 公立学校擁護論のジレンマ
8 共通教育の担い手と「統合」
第六章 自由を/自由に育てる──「教育の私事化」と公共性の隘路
はじめに
1 「リベラル・エデュケーション」の二価性
2 憲法的権利としての「育てる自由」
3 「教育の私事化」要求と正当化
4 ホーム・スクール論争の帰趨
5 自由をめぐる政治と教育
付論 なぜよその子の教育を支えなければならないのか──イグナティエフの問いかけ
1 社会的な連帯
2 正当化──相互的な承認
3 公共性と私事化
4 「教育の公共性」論の課題
Ⅲ部 統合と教育
第七章 「正義」と統合学校の正当化──個人化のもとで教育機会の実質的平等を確保する
はじめに──自由 vs. 平等
1 機会平等と統合学校
2 教育機会の保障と正義の二義性
3 『コールマン報告』と統合学校
4 離脱と自己正当化
むすびに──平等 in 自由
第八章 政治と教育は「差別」にどのように向き合ってきたか──H・アーレントの「統合教育」批判
はじめに
1 「差別」の意味
2 リトルロックと進歩主義教育批判
3 「統合教育」の正当化可能性
4 教育の正当化
第九章 将来世代の教育になぜ無関心でいられないのか──公正性と持続可能な社会
はじめに
1 「社会的なもの」としての教育
2 世代間の教育
3 持続可能性
4 ジョン・ロールズと「正義の貯蓄原理」
5 ロバート・ノージックと「ロックの但し書き」
6 公正性の原理
終章 言語・規則・共同体──「教育の正義論」の言語=社会哲学的基礎
はじめに──言葉を使うこと/規則に従うこと
1 事実と言語
2 言語哲学は社会哲学に何を語ってきたか──ルソー、ウィトゲンシュタイン、クリプキ、柄谷、デリダ
3 教育的判断の類型
あとがき これからの「正義論」──規範理論の取り戻しを
文献一覧
事項索引
人名索引
著者略歴
1942年 東京に生まれる
1973年 東京教育大学大学院教育学研究科博士課程(教育学専攻)単位取得退学
1986-87年 ロンドン大学教育学研究所教育哲学科客員研究員
1995年 博士(教育学)(筑波大学)取得
2007-10年 教育哲学会代表理事
現 在 筑波大学名誉教授
著 書 『現代イギリス教育哲学の展開─多元的社会への教育』(勁草書房,1997),『リベラリズムの教育哲学─多様性と選択』(勁草書房、2000),『教育の分配論─公正な能力開発とは何か』(勁草書房,2006),『再検討 教育機会の平等』(編著,岩波書店,2011),『学校教育と国民の形成』(共著,学文社,2012),『教育システムと社会』(共編著,世織書房,2014)
訳 書 ネル・ノディングス『教育の哲学─ソクラテスから〈ケアリング〉まで』(監訳,世界思想社,2006)
序章 「教育の正義」を問う意義──「改正」教育基本法の成立後において
はじめに──正義原理の取り戻し
1 教育基本法と原理的考察の必要
2 立憲主義下の教育運営
3 「正義の原理」の適用───ジョン・ロールズのテキストに即して
おわりに─正義の複数性
Ⅰ部 平等と教育
第一章 平等主義の政策課題
(1)努力の規定要因は何か──「環境」と「選択」
1 跋扈する格差肯定論と「再チャレンジ」
2 努力の諦め
3 アナリティカル・マルクス主義とその批判
4 環境要因と選択意思
5 平等主義とリバタリアニズム
6 誰のための平等か
(2)能力開発への社会的連帯──「自立」言説を乗り越えて
1 社会の実体
2 自立と平等
3 能力と不平等な配分
4 平等主義の能力開発
第二章 「学習社会」は若者にとってなぜ息苦しいのか──移行期における教育の不平等
はじめに
1 学習における機能主義と意図主義
2 「学習社会」の理念とその問題
3 学習と職業・雇用
4 学習と不平等
第三章 平等主義の教育政策を擁護する──「成長」政策に抗して
1 「分配」から「成長」へ
2 「社会的」資源
3 「教育の分配論」
4 平等主義の政策
Ⅱ部 公共性と教育
第四章 教育にとって公共性とは何か──「市民的公共性」を超えて
はじめに─カントにとっての「私的」/「公的」
1 「共同性」と「公共性」
2 教育資源の供給と運営
3 公共性への関心
4 市民的公共性
5 公共性論の原型
6 公共財としての教育
第五章 公立学校擁護論をどのように築くか──公費支出の正当化
はじめに──「社会全体で支える」ということ
1 教育への公費支出
2 教育の供給方式
3 教育の公正
4 外部効果論の限界
5 公立学校の「公共性」
6 公立学校の正当化
7 公立学校擁護論のジレンマ
8 共通教育の担い手と「統合」
第六章 自由を/自由に育てる──「教育の私事化」と公共性の隘路
はじめに
1 「リベラル・エデュケーション」の二価性
2 憲法的権利としての「育てる自由」
3 「教育の私事化」要求と正当化
4 ホーム・スクール論争の帰趨
5 自由をめぐる政治と教育
付論 なぜよその子の教育を支えなければならないのか──イグナティエフの問いかけ
1 社会的な連帯
2 正当化──相互的な承認
3 公共性と私事化
4 「教育の公共性」論の課題
Ⅲ部 統合と教育
第七章 「正義」と統合学校の正当化──個人化のもとで教育機会の実質的平等を確保する
はじめに──自由 vs. 平等
1 機会平等と統合学校
2 教育機会の保障と正義の二義性
3 『コールマン報告』と統合学校
4 離脱と自己正当化
むすびに──平等 in 自由
第八章 政治と教育は「差別」にどのように向き合ってきたか──H・アーレントの「統合教育」批判
はじめに
1 「差別」の意味
2 リトルロックと進歩主義教育批判
3 「統合教育」の正当化可能性
4 教育の正当化
第九章 将来世代の教育になぜ無関心でいられないのか──公正性と持続可能な社会
はじめに
1 「社会的なもの」としての教育
2 世代間の教育
3 持続可能性
4 ジョン・ロールズと「正義の貯蓄原理」
5 ロバート・ノージックと「ロックの但し書き」
6 公正性の原理
終章 言語・規則・共同体──「教育の正義論」の言語=社会哲学的基礎
はじめに──言葉を使うこと/規則に従うこと
1 事実と言語
2 言語哲学は社会哲学に何を語ってきたか──ルソー、ウィトゲンシュタイン、クリプキ、柄谷、デリダ
3 教育的判断の類型
あとがき これからの「正義論」──規範理論の取り戻しを
文献一覧
事項索引
人名索引
著者略歴
1942年 東京に生まれる
1973年 東京教育大学大学院教育学研究科博士課程(教育学専攻)単位取得退学
1986-87年 ロンドン大学教育学研究所教育哲学科客員研究員
1995年 博士(教育学)(筑波大学)取得
2007-10年 教育哲学会代表理事
現 在 筑波大学名誉教授
著 書 『現代イギリス教育哲学の展開─多元的社会への教育』(勁草書房,1997),『リベラリズムの教育哲学─多様性と選択』(勁草書房、2000),『教育の分配論─公正な能力開発とは何か』(勁草書房,2006),『再検討 教育機会の平等』(編著,岩波書店,2011),『学校教育と国民の形成』(共著,学文社,2012),『教育システムと社会』(共編著,世織書房,2014)
訳 書 ネル・ノディングス『教育の哲学─ソクラテスから〈ケアリング〉まで』(監訳,世界思想社,2006)
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