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実験が切り開く21世紀の社会科学 [フロンティア実験社会科学]

実験が切り開く21世紀の社会科学

政治学、経済学、心理学といった社会科学諸分野が融合して誕生する新たな人間像。シリーズの第1巻として、全体の見取り図を示す。

著者、編者、訳者など 西條 辰義 編著
清水 和巳 編著
ジャンル 教育・心理
政治
経済
ISBN 978-4-326-34911-1
出版年月 2014年4月
判型・ページ数 A5判・240ページ
定価 本体3,000円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

社会科学において近年急激な勢いで増加する実験研究。その背景には、これまで前提とされてきた合理的な人間の振る舞いが、実際の行動とはうまく対応しないことがある。個別の行動原理のみならず、進化のプロセスで獲得した特質や生態学的妥当性をも考慮した、社会制度の設計に役立つ人間性についての新しい基本的モデルを構築する。

「フロンティア実験社会科学」全7巻シリーズ紹介(PDF)

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目次

フロンティア実験社会科学 刊行にあたって
はじめに

第1章 実験で〈つながる〉社会科学[清水和巳]
 1. 社会科学における実験の役割
 2. 実験を介して〈つながる〉
 3. そもそも社会科学で実験ができるのか?

第2章 最後の1つを取りますか?──ペン選択実験[山岸俊男]
 1. はじめに
 2. 自己観の文化差
 3. ペン選択実験
 4. 最後の一切れとしてのペン選択
 5. デフォルト戦略
 6. ペン選択シナリオ実験
 7. 自分は個人的には同調を望ましいとは思わないが,他人は望ましいと思っていると思う
 8. 状況のデフォルト性をなくすと,ペン選択の日米差は消え去った
 9. 実際のペン選択も他人の目により変化する

第3章 フレーミング効果──表現の仕方によって意思決定は変わる[竹村和久]
 1. はじめに
 2. フレーミング効果の心理実験
 3. フレーミング効果と社会生活
 4. フレーミング効果はどのくらい安定して見出されるか
 5. フレーミング効果に及ぼす注意やその他の要因

第4章 うぬぼれる欧米人? 謙虚な日本人?──自己高揚と自己卑下実験[山岸俊男]
 1. はじめに
 2. 自分の能力を正確に判断できたら報酬を差し上げます

第5章 われわれの価値評価は信用できるのか?──アンカリング効果の実験[兎内祥子・瀋俊毅]
 1. はじめに
 2. どうすればアンカリング効果を克服できるのか
 3. 漢字書き取り実験のデザイン
 4. アンカリング効果は弱まったのか
 5. おわりに

第6章 自分が引いたクジは当たっている──制御幻想実験[坂上貴之]
 1. はじめに
 2. 迷信行動
 3. 制御幻想
 4. 制御幻想と曖昧性についての実験から

第7章 他者の目が気になりますか?[神信人・高橋伸幸]
 1. はじめに
 2. サンクション
 3. 目の効果
 4. 壁に目あり
 5. 目の効果の意味

第8章 遅延割引と確率割引[丹野貴行]
 1. はじめに
 2. 遅延割引
 3. 確率割引
 4. 遅延割引と確率割引は等価か
 5. 仮想的な報酬で問題は無いのか
 6. 価値割引研究の歴史と今日的意義
 7. おわりに

第9章 ビジネス・ゲームへの招待──会社経営の模擬体験を通じて経営を学ぶ[磯辺剛彦・小笠原 宏]
 1. はじめに
 2. ビジネス・ゲームとは
 3. 慶應ビジネススクールのビジネス・ゲーム
 4. 流通科学大学商学部のビジネス・ゲーム
 5. おわりに

第10章 最小条件集団における内集団ひいき実験[山岸俊男]
 1. はじめに
 2. 集団との一体化か自己利益の確保か
 3. 最小条件集団と間接互恵性
 4. 自分の受け取る利益を集団から切り離す
 5. 囚人のジレンマ実験における内集団協力
 6. 独裁者ゲームでの内集団ひいきと集団内での評判維持戦略
 7. おわりに

第11章 コンピュータシミュレーションで社会を捉える[中丸麻由子]
 1. はじめに
 2. シェリングの分居モデル
 3. ノワックとメイの協力行動の研究について
 4. おわりに

第12章 囚人のジレンマを克服するメカニズムの設計と実験──バートランド・ラッセルはなぜ変節したのか[西條辰義]
 1. はじめに
 2. 囚人のジレンマ
 3. 承認メカニズム
 4. 行動原理
 5. メカニズムに課す条件
 6. 均衡概念
 7. 承認メカニズムの実験
 8. おわりに

第13章 お米市場と助け合う買い手たち[西村直子]
 1. はじめに
 2. センター取引価格と数量動向の不可思議な点
 3. センター入札市場ルールの思わぬ特殊性
 4. 実験室で入札市場
 5. 実験結果からわかる入札行動の特性
 6. おわりに

第14章 高値で売り抜けられる?──バブル・ゲームの実験[草川孝夫]
 1. はじめに
 2. MP実験のデザイン
 3. MP実験の理論予測
 4. MP実験の結果
 5. 実験室実験による証券バブル研究の今後の展望

第15章 実験室で住民投票[肥前洋一]
 1. はじめに
 2. 最低投票率というルールの影響
 3. 「ごちゃごちゃ」を省く──Hizen(2012)の実験デザイン
 4. 負けるくらいなら棄権する──Hizen(2012)の実験結果
 5. おわりに

第16章 脳神経科学の方法を用いた政治学実験──選挙キャンペーン認知のfMRI実験[井手弘子・加藤淳子・神作憲司・高野弘二]
 1. はじめに
 2. 選挙キャンペーン認知のfMRI実験
 3. ニューロポリティクスの可能性と課題

第17章 人間社会科学の教室[清水和巳]
 1. サカイ先生の研究室
 2. 実験は終わらない
 3. 合理の迷宮から
 4. 適応の世界へ
 5. 社会科学はどこへ行く

索引
執筆者紹介

実験のヒント
コンピュータでの迷信行動の実験
実験を行う上での倫理
データを得るためのテクニック
動物実験の意義

シリーズ監修者紹介
西條辰義(さいじょう たつよし)
1952年生まれ。ミネソタ大学大学院経済学研究科修了。Ph.D.(経済学)。カルフォニア大学サンタバーバラ校経済学部助教授,筑波大学社会工学系助教授,大阪大学社会経済研究所教授を経て,現在,高知工科大学制度設計工学研究センター長。文部科学省特定領域研究「実験社会科学─実験が切り開く21世紀の社会科学」代表。専門は制度設計工学,公共経済学。編著書に『社会科学の実験アプローチ』(共編,勁草書房)『実験経済学への招待』(NTT出版)。

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