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科学の人・孫文 [現代中国地域研究叢書]

思想史的考察

科学の人・孫文

孫文の科学観の成り立ちを可能な限り跡づけ、「サイエンス」に発する孫文思想の深化の過程を追い、その特質と意義について考察する。

著者、編者、訳者など 武上 真理子
ジャンル 歴史・地理
ISBN 978-4-326-34896-1
出版年月 2014年2月
判型・ページ数 A5判・292ページ
定価 本体4,000円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

「マン・オブ・サイエンス」とは、特定領域の科学研究を生業とするサイエンティストを嫌悪し、新しい知識の形としての「サイエンス」に積極的に関与しつつも、それを職業とはしなかった人びとである。本書は孫文を「マン・オブ・サイエンス」の一人とみなし、彼の思想の変遷を科学観のなかにたどっていく。

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目次

目次

「現代中国地域研究叢書」刊行にあたって[天児慧]

はじめに

緒論 孫文思想の見取り図
 第1節 多面体としての孫文像
 第2節 「科学の時代」と孫文
 第3節 上海孫中山故居蔵書

第1章 孫文の科学観──その原点と到達点
 第1節 香港西医書院の創設
 第2節 西医書院の「サイエンス」と孫文
 第3節 「生元」説にみる孫文の科学観
 第4節 進化論と細胞の知性をめぐって
 第5節 「生元」説のその後
 小結

第2章 孫文と医学──『紅十字会救傷第一法』の翻訳と出版
 第1節 『紅十字会救傷第一法』出版の経緯
 第2節 原著者オズボーン
 第3節 『紅十字会救傷第一法』への翻訳
 第4節 近代中国における国際赤十字運動
 第5節 孫文と「紅十字会」
 小結

第3章 『実業計画』の同時代的位相──中国経済開発計画の背景とエンジニアたち
 第1節 『実業計画』発表の経緯
 第2節 『実業計画』を生んだ時代背景
 第3節 英文読者からの評価
 第4節 『聯太平洋』と孫文
 第5節 中国のエンジニアが読む『実業計画』
 小結

第4章 孫文と工学──「太平洋の時代」における上海港
 第1節 浚浦局による上海大築港計画
 第2節 孫文の「東方大港」計画
 第3節 張謇の水利事業
 第4節 「東方大港」計画と張謇
 小結

終章 近代科学思想と孫文
 第1節 孫文の科学観の成り立ち
 第2節 科学と哲学の架橋
 第3節 孫文と哲学
 おわりに

補論 孫文と南方熊楠
 はじめに
 第1節 熊楠の科学観の形成──「和漢洋三才図会」への道
 第2節 民俗学と近代科学をめぐる対話──ロンドン時代
 第3節 植物学をめぐる対話──和歌山での再会後
 むすび


図表一覧
参考文献一覧
初出一覧
あとがき
索引

著者略歴
武上真理子(たけがみ まりこ)
人間文化研究機構地域研究推進センター研究員,京都大学客員准教授。
2011年 京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程研究指導認定退学
2012年 京都大学博士(人間・環境学)
専門は,孫文思想および近代東アジアにおける科学思想史。主な論文に,「シヴィル・エンジニアリングの語と概念の翻訳──「市民の技術」とは何か」(『近代東アジアにおける翻訳概念の展開』京都大学人文科学研究所,2013年 所収),「近代科学思想と孫文」(『グローバルヒストリーの中の辛亥革命』汲古書院、2013年 所収),「南方熊楠と孫文──交錯するアジアへのまなざし」(『南方熊楠とアジア(アジア遊学)』勉誠出版、2011年 所収)など。

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