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IMF改革と通貨危機の理論 [開発経済学の挑戦]

アジア通貨危機の宿題

IMF改革と通貨危機の理論

IMFの組織改編・改革へ向けた動きのきっかけとなったアジア通貨危機が投げかけた問いを考え、危機の理論とIMF改革を考える。

著者、編者、訳者など 国宗 浩三
ジャンル 経済
ISBN 978-4-326-54604-6
出版年月 2013年11月
判型・ページ数 A5判・308ページ
定価 本体3,700円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

1997年のアジア通貨危機は東アジアにとどまらず、国際社会全体にとっても1つの転換点となる出来事となった。本書は、通貨危機への理解を深めるための理論の進展を考察するとともに、IMF改革をめぐる論点と実態についてユーロ危機や地域金融協力などIMFのガバナンスの課題を考え、IMFに対し「柔軟な思考と対応の必要性」を訴える。

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目次

はしがき

第1部 アジア通貨危機という経験

第1章 アジア通貨危機
 第1節 はじめに
 第2節 タイ
 第3節 インドネシア
 第4節 韓国
 第5節 マレーシア
 第6節 おわりに

第2章 アジア通貨危機の傷跡と金融グローバル化の歪み
 第1節 アジア通貨危機の傷跡
 第2節 その他のマクロ指標
 第3節 金融グローバル化の歪み
 第4節 おわりに――第2部,第3部への導入

第2部 多様化する通貨危機の理論

第3章 為替投機の理論――第一世代モデル
 第1節 はじめに
 第2節 第一世代モデルの概要
 第3節 モデルの基本枠組みについて
 第4節 図形を使った説明について
 第5節 固定相場制度は維持できるか
 第6節 固定相場制度崩壊のタイミング――間違った方法による推論
 第7節 固定相場制度崩壊のタイミング――正しい推論
 第8節 シャドウ・レートを利用した方法について
 第9節 第一世代モデルの拡張
 第10節 おわりに

第4章 為替投機の理論――第二世代モデル
 第1節 はじめに
 第2節 初期型のモデル
 第3節 エスケイプ・クローズ・モデル
 第4節 おわりに――複数均衡はよく起こることなのか?
 補論1 Jeanne and Masson(2000)による抽象化されたモデル
 補論2 サンスポット均衡(sunspot equilibria)

第5章 バランスシートモデル,伝染の理論,そして群衆行動の理論
 第1節 はじめに
 第2節 バランスシートモデルの登場
 第3節 バランスシートモデル
 第4節 伝染の理論
 第5節 群衆行動の理論
 第6節 おわりに

第3部 IM改革

第6章 IMFの役割・機能
 第1節 IMF,世界銀行,WTO(GATT)――戦後世界の経済体制を支える機関
 第2節 IMF設立の目的(IMF協定第1 条より)
 第3節 IMF協定の義務履行を通じての目的達成
 第4節 IMFの三大業務――融資,政策監視,技術支援
 第5節 クォータとは何か
 第6節 IMFのガバナンス
 第7節 IMF融資の概要(2008 年頃までの状況)
 第8節 コンディショナリティの種類
 第9節 主なIMF融資制度
 第10節 IMF改革と日本
 第11節 SDRについて
 第12節 MDGs,HIPC イニシアチブ,MDRI とIMF
 第13節 世銀との比較
 第14節 おわりに

第7章 IMFへの批判
 第1節 はじめに
 第2節 融資条件(コンディショナリティ)の数や種類に関する批判
 第3節 融資条件において財政・金融の緊縮策を条件とすることへの批判
 第4節 画一的な対応についての批判
 第5節 政治過程についての無理解
 第6節 先進国の利益を重視し開発途上国の利益を軽視
 第7節 モラル・ハザード
 第8節 IMF融資と経済成長――IMFプログラムは成長を阻害したか?
 第9節 おわりに

第8章 マクロ経済学の観点から見たIMFプログラムの問題点
 第1節 はじめに
 第2節 国際収支危機への対応方法
 第3節 フィナンシャル・プログラミング
 第4節 高金利政策批判
 第5節 おわりに

第9章 地域金融協力とIMF
 第1節 東アジアの地域金融協力
 第2節 地域金融協力の存在意義
 第3節 地域金融協力とIMF
 第4節 欧州版IMF構想
 第5節 おわりに

第10章 IMF改革の評価
 第1節 近年におけるIMFプログラムに関わる制度変更
 第2節 むすびに代えて――IMF改革の評価

終章 アジア通貨危機が残したもの
 第1節 本書のまとめ
 第2節 新たな展開――ユーロ危機と通貨危機の理論,そしてIMF
 第3節 おわりに――柔軟な思考と対応の必要性について

参考文献
索引

著者略歴
1963 年生まれ.1993 年,京都大学経済学研究科博士後期課程単位取得満期退学.
同年,アジア経済研究所研究員.2003~2004年,国際通貨基金(IMF)客員研究員.
2004~2005 年,ジョージ・ワシントン大学シグール・センター客員研究員.
2008 年,京都大学博士(経済学).2012 年,近畿大学経済学部教授.
専門分野:開発経済学,マクロ経済学,国際金融論
最近の主要著書:『グローバル金融危機と途上国経済の政策対応』(編著,アジア経済研究所,2013 年),
『国際資金移動と東アジア新興国の経済構造変化』(編著,アジア経済研究所,2011 年),
『岐路に立つIMF-改革の課題, 地域金融協力との関係』(編著,アジア経済研究所,2009 年),
Overcoming Asia’s Currency and Financial Crises: A Theoretical Investigation, Institute of Developing Economics, 2004

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