理性と価値

後期グライス形而上学論集

理性と価値

英米哲学の巨人の、知られざる思索とは。グライスが晩年に執筆していた形而上学的な著作を、懇切な解説と訳注つきで初めて翻訳する!

著者 ポール・グライス
岡部 勉 編訳
ジャンル 哲学・思想・倫理
出版年月 2013年11月
ISBN 978-4-326-10225-9
判型・ページ数 A5・344ページ
定価 5,060円(税込)
在庫 在庫あり

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日常言語学派の言語哲学者として著名なグライスは、晩年には理性と価値をめぐる形而上学的なテーマに取り組んでいた。アリストテレスとカントを下敷きとして、これぞ哲学というべき重厚・深遠かつ斬新な議論が展開されている。本書では『理性の諸相』の全訳に行為論と価値論の論文を加え、晩年の思索の全体像が見渡せる形で翻訳する。

Ⅰ 理性の諸相

序文

第一章 理性と推論
 序
 1 理性と推論
 2 誤った推論
 3 「不完全な」推論
 4 出来すぎた推論
 5 論理学は何を捉えられないか
 6 最後の論点

第二章 理性と理由
 序
 1 不変的な合理性の能力と可変的な合理性の能力
 2 理由
 3 実践理性と非実践的理性
 4 叙法
 5 相対的様相と絶対的様相

第三章 実践的理由と真であるための理由(1)
 序
 1 「当初の考え方」のより完全な提示
 2 全体証拠の原則
 3 様相標識及び「充足」という考え方の埋め込み

第四章 実践的理由と真であるための理由(2)
 1 実践に関する承認可能性と真偽に関する承認可能性の推論における関係
 2 思慮に関する承認可能性

第五章 目的と幸福に関する考察
 1 目的と幸福
 2 目的と手段
 3 目的の体系

Ⅱ 行為と出来事

 1 概観
 2 デイヴィドソンによる先行論者批判
 3 デイヴィドソンの問題リストに関する更なる考察
 4 デイヴィドソンの提案の概略
 5 行為と出来事の理論以前の区分
 6 デイヴィドソンの提案における困難
 7 異なる仕方による出来事の説明に向けて
 8 行為と出来事

Ⅲ 形而上学と価値

 序
 1 生命と終極性
 2 機械論者に対して
 3 終極性と本質
 4 形而上学的実体変容
 5 絶対的価値
 6 実体変容の筋書き

原註
訳註
訳者解説
索引

ポール・グライス(Paul Grice, 1913─88)
イングランド中西部バーミンガムに生まれる。オックスフォード大学に学び職を得て、ジョン・オースティン等と日常言語学派を形成した。1967年にカリフォルニア大学バークレー校に移り、その地で亡くなった。翌年出版された論文集Studies in the Way of Words(1989)に見られるような、日常会話を独自の意味論的視点から分析した言語哲学者として知られるが、その後出版された(本書で取り上げた)二つの講義録The Conception of Value(1991)、Aspects of Reason(2001)の他にも、形而上学的・倫理学的遺稿が多数バークレー校(バンクロフト図書館)に残されている。

岡部 勉(おかべ つとむ)
1949年生まれ。熊本大学文学部教授。著書に『行為と価値の哲学』(九州大学出版会)、『合理的とはどういうことか』(講談社)など。

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