ホーム > 近代科学の情報論的転回

近代科学の情報論的転回

プログラム科学論

近代科学の情報論的転回

戦後日本を代表する社会学者の一人である吉田民人。その独創的な「プログラム科学論」に関する初の概説書。

著者、編者、訳者など 吉田 民人
吉田民人論集編集委員会
ジャンル 社会・女性
ISBN 978-4-326-60254-4
出版年月 2013年11月
判型・ページ数 A5判・304ページ
定価 本体4,000円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

近代科学にパラダイム変革を迫るものとして構想された、「プログラム科学論」。これは法則を秩序原理として世界を説明する近代科学に対して、プログラムを秩序原理に据えた新しい科学観を提起するものだった。生前の論文をまとめ、プログラム科学論の全体像を明らかにする。

このページのトップへ

目次

Ⅰ プログラム科学論とは

第1章 近代科学の情報論的転回――大文字の第二次科学革命
 1 大文字の第二次科学革命――記号的情報とプログラム
 2 近代科学の再編成――設計科学・情報科学・プログラム科学・自由領域科学
 3 情報科学とは何か――基礎情報学を事例にして
 4 社会情報学の構想――社会科学の基礎部門
 5 結語に代えて

第2章 ポスト分子生物学の社会科学――法則定立科学からのプログラム解明科学へ
 1 法則と規則
 2 分子生物学の科学史・科学哲学的な解釈と評価
 3 プログラム解明学を基礎づける認識論的根拠
 4 プログラム解明科学を基礎づける存在論的根拠
 5 プログラム概念の定義
 6 プログラム形態の進化
 7 シグナル性プログラム科学とシンボル性プラグラム科学
 8 法則とプログラムをめぐる三つの解釈
 9 シンボル性プログラムの諸類型
 10 プログラム科学の五つの基本的課題
 11 プログラム科学における法則の存否
 12 法則科学およびプログラム科学における文化的・歴史的要因の位置づけ
 13 プログラム科学という自覚がもたらす、従来の科学論的言説への波及効果
 14 先行する類似の主張との比較対照

第3章 大文字の第二次科学革命――二一世紀の科学と社会
 1 はじめに――大文字の第二次科学革命
 2 述語についての予備的考察
 3 DNA論・分子生物学の科学史・科学哲学的インパクト――一つの起爆剤
 4 「設計論的自然観」と「プログラム科学」の提唱―― 新パラダイムの自然哲学的基盤とその科学的表現
 5 自己設計様式の進化――プログラム科学的自己組織様式の進化または「進化様式の進化」、あるいは「進化の一般理論」の構築
 6 「自然物対人工物」から「非設計物対設計物」へ
 7 科学的「情報」概念の創作――科学における文系と理系の統合
 8 情報科学・情報学の構想――新パラダイムの核心
 9 「設計科学」の公認――科学における認識と実践の統合
 10 ディシプリン科学と「自由領域科学」――科学と社会との統合
 11 おわりに――「二元論的一元論」が意味するもの、他

第4章 二一世紀の科学大文字の第二次科学革命
 1 はじめに――概念確認と概念創作
 2 生物科学・人文社会科学への正統派パラダイムの外挿――一つの歴史的攻防
 3 大文字の第二次科学革命と二一世紀科学のネオ・パラダイム――DNA論の衝撃
 4 設計論的自然観――新たな自然哲学の構築
 5 二一世紀科学の編成(1)――認識科学に対置される「設計科学」の承認
 6 二一世紀科学の編成(2)――物理科学に対置される「情報科学」の承認
 7 二一世紀科学の編成(3)――法則科学に対置される「プログラム科学」の提唱
 8 二一世紀科学の編成(4)――「プログラム」とは何か
 9 二一世紀科学の編成(5)――法則科学的自己組織性に対置される「プログラム科学的自己組織性」
 10 二一世紀科学の編成(6)――法則とプログラム、および秩序の論理・数学的構造
 11 二一世紀科学の編成(7)――「設計科学」の諸類型
 12 二一世紀科学の編成(8)――「統合科学」をめぐる新たな視点
 13 二一世紀科学の編成(9)――ディシプリン型科学に対置される「自由領域科学」――ディシプリンに対置される「自由科学」の提唱
 14 おわりに――近代科学史の新しい構図

Ⅱ プログラム科学論の応用

第5章 二つの相互循環――社会学的認識の基本特性
 1 事実的秩序と情報的秩序との相互循――環対象の側の社会学的リアリティ
 2 現実構成をめぐる二つの誤解ないし誤謬――三次元のリアリティ構成
 3 社会学的世界と狭義の生活世界との相互循環――主体の側の社会学的リアリティ

第6章 新科学論と存在論的構築主義――「秩序原理の進化」と「生物的・人間的存在の内部モデル」
 1 相互循環する新科学論とその哲学思想
 2 構築主義の検討(1)本質主義と構築主義
 3 構築主義の検討(2)現実の言語的構築

第7章 科学論の情報論的転回――総合科学技術政策における人文社会科学の位置づけ
 1 問題の設定
 2 還元主義的偏向と常識主義・良識主義
 3 還元主義と新旧科学論
 4 理系の設計行為と文系の設計行為
 5 技術の諸類型
 6 技術の新しい定義
 7 人工物システムに埋め込まれる科学的技術
 8 認識論的かなめ論
 9 実践論的かなめ論
 10 価値自由と価値拘束
 11 仮構的情報空間とその正負の機能
 12 心像的・言語的表象空間としてのこころ
 13 新科学論による科学知の拡大・再編・統合
 14 新科学論とエントロピー問題
 15 設計論的自然観の復権と設計科学・科学的技術

あとがき [正村俊之]
参考文献
事項索引
人名索引

吉田民人(よしだたみと)
 1931年8月20日生まれ
 2009年10月27日逝去
  享年78歳
学歴
 1955年 京都大学文学部哲学科社会学専攻卒業
 1957年 京都大学大学院文学研究科修士課程社会学専攻修了
職歴
関西大学文学部助教授、大阪大学教養部助教授、京都大学教養部助教授、東京大学文学部助教授、 東京大学文学部教授、 中央大学文学部教授を歴任、 東京大学名誉教授。
著書
『情報と自己組織性の理論』(東京大学出版会、1990年)、『自己組織性の情報科学エヴォルーショニストのウィーナー的自然観』(新曜社、1990年)、『主体性と所有構造の理論』(東京大学出版会、1991 年)。

このページのトップへ