沖縄/基地社会の起源と相克

1945-1956

沖縄/基地社会の起源と相克

引き裂かれた自治と復興のすがた。協力の論理が破たんし、アメリカの占領に対する激しい反発が湧き上がるまでを描く。

著者 鳥山 淳
ジャンル 歴史・地理
出版年月 2013年3月
ISBN 978-4-326-20052-8
判型・ページ数 A5・288ページ
定価 4,730円(税込)
在庫 品切れ・重版未定

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本書は、アメリカ軍の直接占領下に入る1945年敗戦から、復帰運動が高まるきっかけとなったプライス勧告が出るまでの沖縄政治社会史を描いたもの。占領下の沖縄社会に生じたいくつもの潮流と亀裂を、「独立か日本かアメリカか」という帰属問題によるものというより、引き裂かれる「自治」と「復興」として読み解く。

はじめに 本書の課題と構成
 1 沖縄社会にとっての「戦後」
 2 引き裂かれる自治と復興
 3 本書の構成

第Ⅰ部 混乱の中での模索1945~49年

第1章 収容所生活と自治の萌芽
 1 収容所への隔離と基地建設
 2 自治の出発点
 3 食糧不足と米兵の暴力
 4 基地に阻まれる帰郷
 5 民政府の発足と自治の挫折

第2章 基地が生み出す地域の混乱
 1 基地労働の恒常化
 2 港湾作業とみなと村
 3 米軍に占拠された村──北谷と読谷
 4 戦場の残骸と通行制限
 5 弾薬撤去と演習被害


第3章 自治の停滞と社会の混迷
 1 政党の結成
 2 復興に向けて掲げられる「我々」
 3 労務供出と配給停止指令
 4 占領批判の噴出

第Ⅱ部 交錯する多様な希求1949~51年

第4章 基地の拡充とその影響
 1 流入する援助と基地建設
 2 閉ざされる帰郷の可能性
 3 拡大する基地労働
 4 基地へ向かう出稼ぎの波

第5章 日本復帰運動と自治の屈折
 1 復興費が生みだした知事候補
 2 農村復興の希求
 3 復帰運動の始動
 4 米国援助が生み出す潮流
 5 地域社会の苦悩と青年層の動き
 6 基地問題をめぐる相克

第Ⅲ部 破綻する協力1952~56年

第6章 占領の継続と矛盾の噴出
 1 琉球政府の発足と民主党の結成
 2 軍用地政策への反発
 3 基地建設現場の争議と労働立法

第7章 動揺する協力の論理
 1 高まる復帰願望
 2 土地収用令が生み出す亀裂
 3 経済の行き詰まりと復帰運動

第8章 反共主義と軍用地問題
 1 復帰運動への攻撃
 2 反共主義の激化
 3 軍用地代をめぐる思惑
 4 新規接収の強行

第9章 協力の破綻と新たな動き
 1 プライス勧告の衝撃
 2 日本への期待と懐疑
 3 表面化する亀裂
 4 運動の退潮と新たな起点

おわりに 本書の視座とその射程について
あとがき
参考文献



著者略歴
鳥山 淳(とりやまあつし)
1971年,神奈川県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。大学非常勤講師などを経て,
現在:沖縄国際大学総合文化学部准教授,博士(社会学)。専門は沖縄現代史。
主著:『成長と冷戦への問い(シリーズ高度成長の時代3)』(大月書店,2011年,共著)
『イモとハダシ──占領と現在(シリーズ沖縄・問いを立てる5)』(社会評論社,2009年,編著)
『日常生活の中の総力戦(岩波講座アジア・太平洋戦争6)』(岩波書店,2006年,共著)
『沖縄の占領と日本の復興──植民地主義はいかに継続したか』(青弓社,2006年,共著)など。

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