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社会科学のケース・スタディ

理論形成のための定性的手法

社会科学のケース・スタディ

優れた事例研究の進め方とは? 社会科学全般で使える標準テキストを完訳! 事例研究による理論の構築と検証の方法を指南する。

著者、編者、訳者など アレキサンダー・ジョージ
アンドリュー・ベネット
泉川 泰博
ジャンル 政治
ISBN 978-4-326-30214-7
出版年月 2013年1月
判型・ページ数 A5判・400ページ
定価 本体4,500円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

社会科学では、事例研究をどのように進めて、どのように理論形成に結び付けるべきなのか? 本書は、全米の大学で採用されている方法論の手引書。研究をより精緻にするための整合性手法、過程追跡、類型理論なども詳しく解説し、方法論への深い洞察を示す。研究デザインをつくるのに便利な補章「研究デザインの実例」も収録。

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目次

訳者まえがき
日本語版への序言
序文

第Ⅰ部 事例研究と社会科学

第1章 事例研究と理論の形成
1 事例研究手法の進歩
2 事例研究の優位性と限界――統計手法的視角からの脱却
3 事例研究の長所
4 事例研究のトレードオフ,限界,そして潜在的陥穽
5 複数手法による共同研究の機会
6 本書の構成

第2章 事例研究手法と間民主国家平和論の研究
1 第1世代――統計手法の貢献
2 第2世代――事例研究の貢献
3 間民主国家平和論研究における事例研究デザインの例
4 民主国家平和論に用いられた事例研究手法への批判とその課題
5 第3世代――数理モデルの貢献
6 今後の間民主国家平和論研究に対する方法論的提言

第Ⅱ部・第Ⅲ部に関する教育法上の留意点

第Ⅱ部 どのように事例研究を行うか

第3章 体系的重点比較法

第4章 第1段階――事例研究のデザイン
1 作業1――問題および研究目的を特定する
2 作業2――研究戦略の作成:変数を特定する
3 作業3――事例を選択する
4 作業4――変数の分散を記述する
5 作業5――必要なデータと一般的質問を明確にする
6 5つの研究デザイン作業の統合

第5章 第2段階――事例研究の実施
1 事例に関する説明の暫定的性質
2 競合する説明の問題
3 記述的説明の分析的説明への変換
4 意思決定の再構築を試みる際のいくつかの難問
5 政策プロセスを過度に合理的なものと見なす危険性
6 公文書資料の証拠としての価値の評価
7 事例研究を評価する際の問題点
8 結論

第6章 第3段階――事例による発見から理論への含意の導出
1 理論の開発
2 理論の検証
3 結論

第Ⅲ部 代替的手法とその諸問題

第7章 事例研究と科学哲学
1 社会科学の哲学は物理科学の哲学とどう違うのか
2 理論的説明――演繹的・法則的モデルから因果メカニズムへ
3 因果メカニズム,文脈および複雑性
4 因果メカニズム,過程追跡,および歴史的説明
5 結論

第8章 比較手法――統制比較と事例内分析
1 ミルの手法――その用法と限界
2 同一結果帰着性が理論構築に対して持つ含意
3 ミルの手法の敷衍と改良
4 King, Keohane, and Verba の提唱する代替策
5 因果的推論の事例内手法――整合性と過程追跡のアプローチ

第9章 整合性手法
1 擬似相関,因果的優位,因果的深度
2 整合性の主張はどの程度真実味があるのか
3 独立変数は従属変数である結果の必要条件なのか
4 政策決定において信条が果たす因果的役割を評価するための整合性手法の利用
5 政策決定や戦略的相互作用を「ブラックボックス化」する演繹的理論の研究における整合性手法の利用
6 整合性と構造的リアリスト理論

第10章 過程追跡と歴史的説明
1 過程追跡のさまざまな形態
2 因果プロセスの形態
3 過程追跡の用法
4 予測の評価
5 仮説上の異なるプロセスの評価
6 過程追跡の限界
7 過程追跡についての要約
8 過程追跡と歴史的説明――類似点と相違点

第11章 比較分析と事例内分析の統合――類型理論
1 類型理論とは何か
2 類型から類型理論へ
3 類型理論の形成に向けた帰納的・演繹的手段
4 属性空間の削減
5 属性空間から研究デザインへ
6 類型理論化と過程追跡との統合
7 詳細な説明例――現代の安全保障連合における責任分担
8 類型理論の限界と考えられる対策
9 結論

第12章 事例研究と政策妥当性のある理論
1 理論と実践の溝を埋める
2 利便性のある知識とは何か
3 実務者はどのような種類の知識を必要とするのか
4 実務者はどういった形態の知識を必要とするのか
5 政策妥当性のある知識の形成
6 政策決定者は学術的知識をどのように使うことができるか
7 学術研究と政策立案に対する含意
8 政策決定者に対する他の種類の学術的貢献
9 結論――溝を埋める

補章 研究デザインの実例
1 アメリカ政治分野の研究
2 比較政治分野の研究
3 国際関係論分野の研究

事項索引
人名索引




アレキサンダー・ジョージ(Alexander L. George)
シカゴ大学大学院博士課程を修了,Ph.D.(政治学)を取得。ランド研究所などを経て,1968年よりスタンフォード大学教授を務める。専門は国際関係論,安全保障論。その学術的功績により,アメリカ科学アカデミー賞やヨハン・スクデ政治学賞などを受賞した。2006年,死去。
主著:Woodrow Wilson and Colonel House: A Personality Study (co-authored with Juliette L. George, Courier Dover Publication, 1956),Deterrence in American Foreign Policy: Theory and Practice (co-authored with Richard Smoke, Columbia University Press, 1974),『軍事力と現代外交――現代における外交的課題』(ポール・ゴードン・ローレンとゴードン・クレイグとの共著,有斐閣,2009年)など。

アンドリュー・ベネット(Andrew Bennett)
ハーヴァード大学大学院博士課程を修了,Ph.D.(公共政策)を取得。ジョージタウン大学政治学部准教授などを経て,現在:ジョージタウン大学政治学部教授。専門は国際関係論,社会科学方法論。
主著:Condemned to Repetition?: The Rise, Fall, and Reprise of Soviet-Russian Military Interventionism 1973-1996 (The MIT Press, 1999),Friendsin Need: Burden-Sharing in the Gulf War (co-edited with Joseph Lepgold and Danny Unger, St. Martin's Press, 1997) など。

泉川泰博(いずみかわやすひろ)
ジョージタウン大学大学院博士課程を修了,Ph.D.(政治学)を取得。神戸女学院大学文学部准教授などを経て,現在:中央大学総合政策学部准教授。専門は国際関係理論,アメリカ――東アジア関係。
主著:“Security Dependence and Asymmetric Coercive Bargaining,” Asian Security, vol.3, no. 1 (2007),“Explaining Japanese Antimilitarism: Normative and Realist Constraints on Japan's Security Policy,” International Security, vol. 35, no. 2 (2010),ヘンリー・ブレイディ,デヴィッド・コリアー編『社会科学の方法論争――多様な分析道具と共通の基準』(宮下明聡との共訳,勁草書房,2008年)など。

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