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開発介入と補償

ダム立ち退きをめぐる開発と正義論

開発介入と補償

「多数者の便益」のために結果的に「苦難」を強いられることになった人々。「補償」は本当にその意味をもつのか?開発と正義を問う。

著者、編者、訳者など 武貞稔彦
ジャンル 社会・女性
ISBN 978-4-326-60249-0
出版年月 2012年12月
判型・ページ数 A5判・224ページ
定価 本体3,400円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

あがない得ない「苦難」を人々に課してまで手にする便益には、どれほどの意味があるのか。社会の善のためには犠牲はやむを得ないという考え方は、どこまで貫徹されるべきなのか。日本、途上国のダム建設とそれに伴う立ち退きを事例として、開発における倫理問題を提起する本書は、3.11がもたらしている「正義」のあり方に強く結びつく。

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目次

はじめに

序章 A Calculus of Pain(苦痛の計算),A Calculus of Meaning(意味の計算)

第1章 ダム建設による立ち退き,補償,再定住
 第1節 研究の背景と動機――「ダム建設による立ち退き,補償,再定住」という課題設定
 第2節 研究の目的――立ち退き住民の人生を意味あるものとするための方策
 第3節 研究の方法――立ち退き,補償,再定住に内在する困難とその克服の可能性を探る
 第4節 本書の構成
 第5節 用語の定義

第2章 ダム建設による立ち退き,補償,再定住をめぐる先行研究
 第1節 先行研究の分類枠組み
 第2節 先行研究――日本のダム事例
 第3節 先行研究――海外のダム事例
 第4節 本研究の特徴

第3章 ダム建設による立ち退き,補償,再定住をめぐる実践
 第1節 日本におけるダム建設と立ち退きをめぐる政策――補償制度の整備
 第2節 海外(特に途上国)におけるダム建設と立ち退き――補償・再定住政策の整備
 第3節 補償・再定住計画立案・実施のためのツール――チェルネアのIRRモデルの概要と限界
 第4節 世界ダム委員会(The World Commission on Dams:WCD)のインパクト
 第5節 現在までの施策および取り組みからみた本研究の持つ意義

第4章 立ち退きから50年――静岡県大井川井川ダムの事例
 第1節 調査の目的と対象,方法
 第2節 井川地区の概要
 第3節 新しい村造り――井川ダムと補償・再定住
 第4節 井川地区西山平 再定住後の50年
 第5節 井川ダム事例における立ち退き住民の選択とその帰結に関する考察

第5章 マハヴェリ開発と立ち退き――スリランカ・コトマレダムの事例
 第1節 調査の目的
 第2節 スリランカの概況とマハヴェリ開発
 第3節 コトマレダムによる立ち退き,補償,再定住
 第4節 再定住者の現在――インタビュー調査結果
 第5節 コトマレダムによる立ち退き住民の選択とその帰結に関する考察

第6章 開発介入による立ち退きに内在する困難とその克服
 第1節 本研究における問いの確認と調査結果
 第2節 立ち退き,補償,再定住に内在する困難
 第3節 内在する困難を克服するために必要な対応――補償・再定住政策上の含意

第7章 開発介入による立ち退きの原理的考察
 第1節 立ち退きをともなう開発を捉える新たな評価枠組みの必要性
 第2節 開発における規範的価値基準をめぐる議論の必要性と環境倫理学における「環境正義」
 第3節 新たな評価枠組みの構想
 第4節 小括

終章 人々の「生の意味」を失わせない未来
 第1節 結論および新たな補償・再定住政策の枠組みの提案
 第2節 今後の調査研究の課題
 第3節 結語

おわりに
参考文献一覧
人名索引
事項索引

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