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2022.11.21
社会運動の戸惑い (紙版)
フェミニズムの「失われた時代」と草の根保守運動
旧統一教会などの宗教右派と、自民党などの保守政治家は、なぜ、どのように、「男女平等」「多様な性」を攻撃したのか――。丹念なフィールドワークと資料分析から、「対立」の背景を明らかにした1冊。
男女共同参画事業の名の下に、条例づくりや事業の任い手となったフェミニスト。それを中央からおりてきた政策と捉え、反発した保守運動。「バックラッシュ」として、地域やインターネット上で広がったこの衝突の実際をフィールドワークと双方への丹念な聞き取りから明らかにする。フェミニズムが本当に取り組むべき課題のために。
まえがき
第一章 「ジェンダーフリー」をめぐる対立[山口智美・荻上チキ]
1 「ジェンダーフリー」と「男女共同参画」の誕生
2 反フェミニズム運動とジェンダーフリー批判
3 「バックラッシュ」の退潮とフェミニズム
第二章 地方からのフェミニズム批判――宇部市男女共同参画推進条例と『日本時事評論』[山口智美]
1 日本時事評論との出会い
2 基本法から「モデル条例」へ
3 『日本時事評論』とは?
4 ひっくり返された宇部市男女共同参画条例案と保守の動き
5 「モデル条例」への反発と地方議員の役割
6 日本時事評論の役割
7 宇部条例は「歯止め」の役割を果たしているのか
8 宇部条例への注目と「モデル条例」のアイロニー
9 フェミニズムをどうみているのか
10 男女共同参画の一〇年間は何だったのか?
第三章 千葉県に男女共同参画条例がない理由――条例制定運動の失敗と保守の分裂[山口智美]
1 唯一条例がない県・千葉
2 男女共同参画条例案をめぐる顛末
3 「良識的な条例づくり」を目指した日本会議系保守運動
4 保守の分裂
5 フェミニストの動きと千葉県条例
6 条例廃案後の千葉県と、運動の衰退
7 千葉県条例をめぐる運動が提示した課題
第四章 「性的指向」をめぐって――宮崎県都城市の条例づくりと『世界日報』[斉藤正美・山口智美]
1 フェミニズムへの「バックラッシュ」と世界日報
2 都城市男女共同参画社会づくり条例
3 条例への反対の動き
4 旧条例の制定から新市長による条例再制定まで
5 世界日報によるインターネット戦略
6 条例をめぐる係争から見える課題と「市民参加」の内実
7 都城のこれから
第五章 男女共同参画とは何か――ユー・アイふくいの図書問題をめぐって[斉藤正美]
1 男女共同参画センターの運用
2 推進員活動をしていた「バックラッシュ派」
3 男女共同参画推進員という制度
4 図書問題
5 インターネットの活用
6 現在の福井の男女共同参画政策
7 「男女共同参画」の意味を問い直す機会の損失
第六章 箱モノ設置主義と男女共同参画政策――国立女性教育会館(ヌエック)[斉藤正美]
1 ヌエックや男女共同参画センター事業とのかかわり
2 ヌエック問題とは
3 ヌエックと男女共同参画センター設立の背景
4 婦人教育・女性教育
5 運営体制
6 ヌエックと全国女性会館協議会
7 箱モノ設置主義と意識啓発事業の限界
第七章 フェミニズムとメディア、インターネット[山口智美・斉藤正美]
1 フェミニストのメディア活用の現在
2 女性学の書籍刊行と女性運動――一九八〇年代
3 「ジェンダーとメディア研究」と行政――一九九〇年代
4 フェミニズムによる情報ネットワークの構築――一九九〇年代
5 「バックラッシュ対抗」をうたいはじめてから――二〇〇〇年代
6 フェミニスト・メディアの今後にむけて
結びにかえて[荻上チキ]
あとがき
調査記録/参考文献
事項索引/人名索引
第一章 「ジェンダーフリー」をめぐる対立[山口智美・荻上チキ]
1 「ジェンダーフリー」と「男女共同参画」の誕生
2 反フェミニズム運動とジェンダーフリー批判
3 「バックラッシュ」の退潮とフェミニズム
第二章 地方からのフェミニズム批判――宇部市男女共同参画推進条例と『日本時事評論』[山口智美]
1 日本時事評論との出会い
2 基本法から「モデル条例」へ
3 『日本時事評論』とは?
4 ひっくり返された宇部市男女共同参画条例案と保守の動き
5 「モデル条例」への反発と地方議員の役割
6 日本時事評論の役割
7 宇部条例は「歯止め」の役割を果たしているのか
8 宇部条例への注目と「モデル条例」のアイロニー
9 フェミニズムをどうみているのか
10 男女共同参画の一〇年間は何だったのか?
第三章 千葉県に男女共同参画条例がない理由――条例制定運動の失敗と保守の分裂[山口智美]
1 唯一条例がない県・千葉
2 男女共同参画条例案をめぐる顛末
3 「良識的な条例づくり」を目指した日本会議系保守運動
4 保守の分裂
5 フェミニストの動きと千葉県条例
6 条例廃案後の千葉県と、運動の衰退
7 千葉県条例をめぐる運動が提示した課題
第四章 「性的指向」をめぐって――宮崎県都城市の条例づくりと『世界日報』[斉藤正美・山口智美]
1 フェミニズムへの「バックラッシュ」と世界日報
2 都城市男女共同参画社会づくり条例
3 条例への反対の動き
4 旧条例の制定から新市長による条例再制定まで
5 世界日報によるインターネット戦略
6 条例をめぐる係争から見える課題と「市民参加」の内実
7 都城のこれから
第五章 男女共同参画とは何か――ユー・アイふくいの図書問題をめぐって[斉藤正美]
1 男女共同参画センターの運用
2 推進員活動をしていた「バックラッシュ派」
3 男女共同参画推進員という制度
4 図書問題
5 インターネットの活用
6 現在の福井の男女共同参画政策
7 「男女共同参画」の意味を問い直す機会の損失
第六章 箱モノ設置主義と男女共同参画政策――国立女性教育会館(ヌエック)[斉藤正美]
1 ヌエックや男女共同参画センター事業とのかかわり
2 ヌエック問題とは
3 ヌエックと男女共同参画センター設立の背景
4 婦人教育・女性教育
5 運営体制
6 ヌエックと全国女性会館協議会
7 箱モノ設置主義と意識啓発事業の限界
第七章 フェミニズムとメディア、インターネット[山口智美・斉藤正美]
1 フェミニストのメディア活用の現在
2 女性学の書籍刊行と女性運動――一九八〇年代
3 「ジェンダーとメディア研究」と行政――一九九〇年代
4 フェミニズムによる情報ネットワークの構築――一九九〇年代
5 「バックラッシュ対抗」をうたいはじめてから――二〇〇〇年代
6 フェミニスト・メディアの今後にむけて
結びにかえて[荻上チキ]
あとがき
調査記録/参考文献
事項索引/人名索引
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