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不登校のポリティクス

社会統制と国家・学校・家族

不登校のポリティクス

社会は学校欠席者をいかに呼び、意味づけたのか。その過程でいかなる社会関係が正当化されたのか。史料を分析し、実証的に検討する。

著者、編者、訳者など 加藤 美帆
ジャンル 社会・女性
ISBN 978-4-326-25078-3
出版年月 2012年9月
判型・ページ数 A5判・240ページ
定価 本体3,000円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

学校の長期欠席についての認識の仕方は、社会の秩序形成とかかわる、きわめて政治的な問題である。本書は構築主義に依拠し、「不登校」「長期欠席」「登校拒否」といった認識の仕方や問題のとらえ方、つまり知識がつくられたプロセスの政治性を検証。社会変動のなかでの権力関係の正当化と社会統制との関連から、「不登校」を考察する。

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目次

はしがき

序章 問題の所在と本書の構成
 問題の所在
 各章の構成

第Ⅰ部 不登校のポリティクスに向けて

第1章 「長期欠席」と「不登校」の現在
 はじめに
 1 不登校の公的把握のゆらぎ
 2 「不登校」はどのような問題とされているか
 3 欠席の社会的背景
 結語

第2章 先行研究の検討
 はじめに
 1 実証主義逸脱論による不登校研究
 2 不登校の意味論的転換
 3 不登校に関する議論と教育改革の収斂
 結語

第3章 不登校の知を問う
 はじめに
 1 長期欠席,不登校の批判的検討に向けた構築主義の可能性
 2 脱構築という戦略
 3 不登校の知を問う
 結語

第Ⅱ部 就学と欠席を通じた国家の編成

第4章 戦後の長欠者問題と国民国家の再編成
 はじめに
 1 戦後の「長期欠席者問題」
 2 長期欠席者の就学督促と国民国家の再編
 結語
 〔資料〕公立小学校・中学校長期欠席児童生徒調査報告書(文部省)

第5章 長期欠席から「学校ぎらい」の「出現」ヘ――戦後教育の転換
 はじめに
 1 公式統計による長期欠席者調査と社会統制
 2 長期欠席者を減少させる全体化の力
 3 「学校ぎらい」の「増加」――能力,適性への個別化のまなざし
 結語
 〔資料〕長期欠席児童生徒調査報告書 東京都版

第6章 「登校拒否」から「不登校」ヘ――ポスト福祉国家における社会統制の変化
 はじめに
 1 不登校の公の歴史
 2 長期の欠席についての公的な把握と実態
 3 「登校拒否」ヘの収斂
 4 「不登校」の正当性の確立
 結語

第Ⅲ部 不登校と親密圏のポリティクス

第7章 不登校をめぐる政治――朝日新聞家庭面の分析から
 はじめに
 1 家庭面で語られる不登校
 2 不登校についての言説の節合過程
 3 「母親=犯人」論と近代家族のゆらぎ〈1970-1983年〉
 4 学校批判から癒しと支援対象としての不登校へ〈1984-2000年〉
 結語
 〔資料〕「登校拒否・不登校」を見出しに含む記事見出し一覧

第8章 不登校からの家族秩序への問い直し
 はじめに
 1 登校拒否と家族の問題化――近代家族論を手がかりに
 2 調査の概要
 3 「不登校」から社会秩序への問いかけへ
 4 ポスト福祉国家における家族・学校・権力
 結語

終章 不登校の現在とこれから
 はじめに
 1 〈定義〉と〈実態〉の二元論を超えて
 2 いま、不登校研究の課題とは何か
 結語

引用・参考文献
あとがき
人名索引
事項索引



1972年生まれ
早稲田大学大学院教育学研究科修了 博士(教育学)
現 在 お茶の水女子大学学校教育研究部専任講師 専門は教育社会学
主論文 『知識伝達の構造』(共著,2008,世界思想社)、「『不登校』をめぐる政治―朝日新聞家庭面の分析から」『年報社会学論集』第17号,2004など

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