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フレーゲ哲学の全貌

論理主義と意味論の原型

フレーゲ哲学の全貌

数学の哲学を貫く「論理主義」のプロジェクトとは?現代の論理と意味論の原型を剔抉する!

著者、編者、訳者など 野本和幸
ジャンル 哲学・思想・倫理
ISBN 978-4-326-10218-1
出版年月 2012年9月
判型・ページ数 A5判・708ページ
定価 本体8,500円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

現代論理学を創始し、分析哲学の祖と称されるゴットロープ・フレーゲ。アリストテレス以来の論理学革命はいかにしてなされたのか。フレーゲの生涯を交えつつ、出発点となった数学の哲学から論理と言語の哲学までを論じる。日本の大家による、渾身の書。

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目次

はしがき

序論 ゴットロープ・フレーゲ――現代の哲学・論理学への分水嶺
 §1 はじめに――フレーゲ哲学の全体像と本書の構成
 §2 フレーゲの生涯と業績概略
 §3 フレーゲ論理哲学探究の全体的構成――メタ理論の可能性と《認識論的・意味論的》位相に留意しつつ

第Ⅰ部 論理主義を目指して――論理学の革新

第1章 論理主義に向かって
 §1 初期論文――論理主義以前
 §2 解析学の厳密化から論理主義へ――数学史的背景
 §3 多様な準論理主義――デデキントとシュレーダー

第2章 『概念記法』
 §1 『概念記法』序言の論理主義的志向
 §2 論理思想の革命
 §3 「一般系列理論」と論理主義的「概念記法─算術(BA)」
 §4 普遍言語と推論計算――「判断優位テーゼ」

第Ⅱ部 論理主義のプログラムと文脈原理

第3章『算術の基礎』の構想とその背景
 §1 『算術の基礎』の狙い
 §2 数学史的背景――解析学的方法と純粋幾何学的な綜合的方法
 §3 幾何学と算術――直観と一般性
 §4 概念記法による厳密な証明と認識の拡張

第4章 『算術の基礎』における文脈原理と再認判断
 §1 予備的考察――個数言明と単位としての概念
 §2 個数言明と「ジュリアス・シーザー問題[1]」
 §3 新対象としての基数の導入?――「抽象原理」としての「文脈原理」
 §4 新対象導入戦略の数学史的背景――二つのパラダイム
 §5 再認判断と同一性規準――基数抽象と「ヒュームの原理」
 §6 再認可能な対象領域の拡張と概念の保存拡大的再定義
 §7 シーザー問題[2]
 §8 外延による集合論的定義への転換

第5章 『算術の基礎』の基数論
 §1 「ヒュームの原理」の導出と算術体系
 §2 可算無限基数の導出
 §3 新フレーゲ主義ないし新論理主義的動向瞥見
 §4 「論理主義的算術」の哲学的意義――認識論的・存在論的含み
 §5 カントルの論評への応答
 §6 存在概念と算術の形式理論批判

第Ⅲ部 論理と言語の哲学

第6章 『算術の基本法則』の概要と方法
 §1 はじめに
 §2 本章の主要な課題
 §3 心理主義批判
 §4 論理主義的基礎づけ・正当化の方法――始原への遡及/逆数学的アプローチ?

第7章 フレーゲ高階論理の統語論
 §1 「普遍主義」とメタ理論
 §2 名前形成の二つの方法
 §3 ラテン文字,ドイツ文字,ギリシャ文字
 §4 基本法則(公理)と推論規則の導入――ゲンツェンの自然演繹・ゼクエント算との親近性
 §5 ラテン文字(自由変項?)とドイツ文字(束縛変項)

第8章 論理学の意味論の創始
 §1 論理的に完全な言語――有意味性証明と「二値の原理」
 §2 「一般化された文脈原理」ないし「文脈規準」
 §3 ラテン文字と「補助名」?
 §4 ラテン文字の一般性と一意的固定性

第9章 有意味性証明と意味論的正当化
 §1 「概念記法」の原始的名前の有意味性
 §2 シーザー問題の再現
 §3 基本的論理法則(公理)群と推論規則の「意味論的正当化」
 §4 意味と意義・思想

第10章 交流と批判
 §1 ペアノとの往復書簡――目的の相違
 §2 ディンクラーとの往復書簡――条件つき証明と背理法
 §3 シュレーダー批判

第11章 論理と言語の哲学――意味論的考察
 §1 言語批判
 §2 表象と色合い・陰影
 §3 フレーゲの論理学理解――判断論
 §4 発話の力と文の叙法
 §5 真理論
 §6 真理と意味・有意味性
 §7 有意味性・真理値間隙・対象約定
 §8 意義と思想
 §9 思想の分解と合成――虚構
 §10 意義――認識価値/認識論的・命題態度論的位相から
 §11 話法・信・知――命題的態度の意味論
 §12 本来的固有名とその意義の公共性
 §13 指示詞・指標詞の意味論

第12章 意味論論争
 §1 ラッセルとの往復書簡(1)――ラッセルの論理的意味論
 §2 ヴィトゲンシュタインへの書簡――論理的意味論を巡って
 §3 ジャーデンとの往復書簡
 §4 フレーゲと初期フッサール(1)――論理学の哲学(論理的意味論)を巡って

第Ⅳ部 数学の哲学――論理主義

第13章 『算術の基本法則』における基数論
 §1 算術の哲学の概要
 §2 フレーゲの算術の哲学――基数論
 §3 数学的形式的問題――値域としての基数とラッセル・パラドクス
 §4 「後書き」でのパラドクスへの対処案
 §5 ヘックの「フレーゲの原理」
 §6 「フレーゲの定理」と「フレーゲ算術」
 §7 数学的プラトニズム再論(1)――入れ替え議論,指示の不確定性
 §8 数学的プラトニズム再論(2)――文脈原理の循環性と非可述性
 §9 悪友問題その他

第14章 基数論とラッセル・パラドクス
 §1 フレーゲは新論理主義者か(1)
 §2 フレーゲは新論理主義者か(2)――ラッセルとの往復書簡(2)
 付論 ラッセル『数学原理』における論理主義
 §3 フレーゲと初期フッサール(2)――『算術の哲学』Iを巡って

第15章 『算術の基本法則Ⅱ』における実数論と形式主義批判
 §1 同時代の無理数論に対するフレーゲの批判
 §2 数と量――非形式的説明
 §3 フレーゲの実数論――量領域とは
 §4 量理論の形式的展開
 §5 形式主義批判と整備――ゲームと応用可能性

第16章 書簡と応酬
 §1 フレーゲとデデキント――論理主義の異同
 §2 幻のレーヴェンハイム――フレーゲ往復書簡――形式主義の評価を巡って
 §3 ヒルベルトとの往復書簡――幾何学の基礎・公理主義・独立性証明

第17章 新論理主義の回顧と前途瞥見――デデキント的構造主義との対比抄
 §1 心理的抽象とデデキント的構造主義批判への布石
 §2 フレーゲの基数論回顧
 §3 新論理主義の出現と抽象理論再興
 §4 新論理主義の実抽象と構造主義
 §5 量領域と実抽象・切断抽象
 §6 悪友問題
 §7 数学と応用――フレーゲの制約
 §8 抽象原理と構造主義
 §9 結語にかえて――残された課題

参考文献
あとがき
初出一覧
索引

1939年 東京都に生まれる
1962年 国際基督教大学教養学部卒
1967年 京都大学大学院文学研究科博士課程修了 文学博士(京都大学)
現 在 北海道大学教授を経て,東京都立大学・創価大学 名誉教授
著 書 『フレーゲの言語哲学』『フレーゲ入門』(勁草書房)
『現代の論理的意味論─フレーゲからクリプキまで』(岩波書店)
『意味と世界』(法政大学出版局)他
編共著 『言語哲学を学ぶ人のために』(世界思想社),他
編訳書 『フレーゲ著作集』全6巻(勁草書房)
ディヴィドソン『真理と解釈』(共訳 勁草書房)
ダメット『分析哲学の起源』(共訳 勁草書房)
ケニー『ウィトゲンシュタイン』(法政大学出版局)
ケルナー『カント』(みすず書房)
アンスコム・ギーチ『哲学の三人
 ─アリストテレス・トマス・フレーゲ』(共訳 勁草書房)
パトナム『理性・真理・歴史』(共訳 法政大学出版局),他

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