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通商政策の潮流と日本

FTA戦略とTPP

通商政策の潮流と日本

混乱する日本の通商政策を、WTO体制とFTAのあり方、東アジアおよびアジア太平洋の経済連携の新たな動き等の課題から考察する。

著者、編者、訳者など 山澤 逸平 編著
馬田 啓一 編著
国際貿易投資研究会 編著
ジャンル 経済
ISBN 978-4-326-50365-0
出版年月 2012年4月
判型・ページ数 A5判・328ページ
定価 本体3,700円+税
在庫 在庫僅少
 

内容説明

日本の通商戦略は重大な岐路に立たされている。日本が関与しないまま、アジア太平洋地域の通商秩序を決める協定づくりが進んでもよいのか。本書は、目下焦眉の問題となっている通商戦略の課題(WTO体制とFTAのあり方、ASEAN+6、TPP、FTAAPなどを含む東アジアおよびアジア太平洋の経済連携の新たな動き、日本のFTA戦略の再構築)について取り上げ、様々な視点からの考察を試みる。

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目次

はしがき
略語表

第Ⅰ部 WTO体制とFTA

第1章 WTOとアジア太平洋における経済統合[渡邊頼純]
 1.日本のFTA:経済連携協定(EPA)の特徴と現状
 2.周辺化する多国間主義,勢いづく地域主義
 3.現代の保護主義とWTO体制
 4.保護主義は「深く,静かに忍び寄る」
 5.国際貿易に規律を提供するWTO
 6.WTOの紛争解決メカニズム
 7.TPPとWTO
 8.おわりに

第2章 FTA神話の崩壊[吉野文雄]
 1.日本のFTA/EPA戦略の限界
 2.日本シンガポールFTA/EPAの限界
 3.歴史に学ぶ:共同市場の提案

第3章 FTAの経済効果と課題[安藤光代]
 1.事前分析から見たFTAの経済効果
 2.事後分析から見たFTAの経済効果:日墨EPAのケース
 3.FTAの利用に関する分析
 4.おわりに

第Ⅱ部 東アジアの地域主義と米国

第4章 東アジアの貿易構造:その特徴と課題[伊藤恵子]
 1.東アジアの域内・域外貿易
 2.東アジア貿易における日本の役割とその変化
 3.最終財市場としてのアジア
 4.おわりに

第5章 ASEANの経済統合と経済共同体(AEC):域内経済協力の深化と世界金融危機後の課題[清水一史]
 1.ASEAN域内経済協力の過程とアジア経済危機後の構造変化
 2.AECへ向けての域内経済協力の展開
 3.AEC実現へ向けての新たな取り組み
 4.おわりに:世界金融危機後の構造変化とASEANの課題

第6章 日中韓FTA:経過と課題[阿部一知]
 1.経緯,背景,現状
 2.期待できる経済効果
 3.今後の課題

第7章 東アジア広域経済圏構築の動きとその課題[助川成也]
 1.東アジア広域経済圏の形成のこれまで
 2.東アジア広域経済圏形成と企業のリスク分散
 3.結びにかえて:東アジア広域経済圏時代のリスク管理

第8章 韓米FTA:本格的FTA国家への跳躍[奥田聡]
 1.韓国のFTA:輸出立国を支える通商インフラ
 2.韓米FTAの意義と経過
 3.韓米FTAの影響:韓米両国のメリットと第三国のデメリット
 4.まとめと結論

第9章 米国のFTA戦略[滝井光夫]
 1.FTA政策の採用とその展開
 2.協定内容と貿易効果
 3.オバマ政権のFTA政策

第Ⅲ部 アジア太平洋の新たな通商秩序

第10章 APECの新自由化プログラムとFTAAP[山澤逸平]
 1.APECのボゴール目標
 2.東アジア共同体への転換
 3.アジア太平洋FTA提案とTPP
 4.ボゴール目標はどの程度達成されたか
 5.APECの新自由化プロセス
 6.FTAAPへの選択的道筋

第11章 APECハワイ会議の論点[石戸光]
 1.APEC 2011をめぐる諸論点
 2.APECハワイ会合の論点をめぐる考察
 3.今後のAPECプロセスの展望

第12章 米国とTPP:米産業界の狙い[佐々木高成]
 1.TPP通商交渉に反映される産業界の意見
 2.米産業界から見たTPP各国の貿易投資障壁と産業界の交渉目的
 3.新分野への取り組み:分野横断的事項
 4.米国に内在する対立

第13章 TPP交渉の争点:高いレベルの自由化は可能か[石川幸一]
 1.TPPの構成
 2.TPPの主要対象分野と交渉の論点
 3.交渉の展望
 4.おわりに

第Ⅳ部 TPPと日本の選択

第14章 日米のAPEC戦略とTPP:「閉じられた地域主義」と国内政治の行方[寺田貴]
 1.「閉じられた地域主義」とAPEC
 2.米国とFTAAP
 3.米国とTPP
 4.TPPと日本:2010年
 5.TPPと日本:2011年
 6.おわりに

第15章 日本のTPP参加問題[菅原淳一]
 1.日本のTPP参加問題の経緯
 2.日本のFTA戦略におけるTPPの位置付け
 3.TPP参加のメリット・デメリットをめぐる論争
 4.東日本大震災後のTPP参加をめぐる議論
 5.日本のFTA戦略におけるTPP参加問題の意義

第16章 WTO・FTA交渉と農業問題[馬田啓一]
 1.WTO農業交渉と日本劣勢の構図
 2.日本のFTA締結と農産物の扱い
 3.TPP参加と農業の両立
 4.日本農業の再生に向けて

索引



編著者紹介
山澤 逸平(やまざわ いっぺい)
1937年生まれ。一橋大学経済学部卒業,経済学博士。一橋大学経済学部教授,日本貿易振興機構・アジア経済研究所所長,早稲田大学アジア太平洋研究科教授,国際大学学長,APEC賢人会議日本代表などを歴任。現在,一橋大学名誉教授。主な著書に,『日本の経済発展と国際分業』(東洋経済新報社,1984年),『APEC入門』(共編著,東洋経済新報社,1995年),Asia Pacific Economic Cooperation(編,Routledge, 2000年),『アジア太平洋経済入門』(東洋経済新報社,2001年),『アジア太平洋協力:21世紀の新課題』(ジェトロ,2010年),APEC: New Agenda in Its Third Decade(Iseas, 2011年)など。

馬田 啓一(うまだ けいいち)
1949年生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在,杏林大学総合政策学部/大学院国際協力研究科教授。国際貿易投資研究所客員研究員。主な著書に,『日本の新通商戦略』(共編著,文眞堂,2005年),『日米経済関係論』(共編著,勁草書房,2006年),『検証・東アジアの地域主義と日本』(共編著,文眞堂,2008年),『検証・金融危機と世界経済』(共編著,勁草書房,2010年),『グローバル金融危機と世界経済の新秩序』(共編著,日本評論社,2010年),『日本通商政策論』(共編著,文眞堂,2011年)など。

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